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第12回 From 大連 vol.32019/09/29

こんにちは。Chantalです。

当初は半年から2,3年で終わると思っていた中国生活でしたが、9年目になりました。こちらで出来た日本人の友人のほとんどは境遇の似た駐在妻だったので、すでに本帰国してしまいました。大体3年から5年の駐在期間になる会社が多いようです。以前よく友人と“中国駐在が8年を超えると(8が横に倒れて)∞なんだって”などと言っていましたが、今では笑えない冗談です。私は本帰国どころか夫の中国国内での転勤に伴い、新しい場所で一から生活を始めることになりました。知り合いもおらず、夫も多忙を極めていたので助けが得られず、不安の中で始まった大連生活でしたが、ネットで必要な情報を調べ、一人で生活の基礎を整えられたことは、後に大きな自信にもなりました。外資系エアラインで仕事をしていた頃は、時にステイ地から一人旅に出ることもあったので、その頃に一人で行動する力を身に付けられたのかもしれません。

武漢の黄鶴楼から見た街並み

今は、どこにいてもネットさえあればすぐに日本の情報に触れられますし、日本やその他の国に住む友人とも連絡がとれますので、海外生活のストレスも軽減されるように思います。しかし、こちらでは生活する上で日本ほど物事がスムーズには進まないので、時にはいらだちを覚えることもあります。そんな時は、日系エアラインから外資系に転職した際に、一番に教えられた“まずは相手を尊重する”という言葉を思い出し、物事が思ったように進まなくても、それはお国柄や文化の違いとして許容するようにしています。簡単にいうと、諦めが肝心。何事もあまり考えすぎず、なるようになるさ、とおおらかな気持ちで日々過ごすように心掛けています。

ハルビンの建物 ヨーロッパのようです

CAの経験が役に立った、というトピックからは少し離れますが、日系で働いていた頃にパン教室に通っていました。フライトの合間を縫って教室に通うのは大変でしたが、こちらに来てなかなか口に合うパンが見つからなかった時、自分でパンを焼くことが出来たので、この時に習った基礎がとても役に立ちました。今はコーヒー豆をフライパンで焙煎するのがマイブームなので、自分で焼いたパンに自家焙煎のコーヒーを合わせて楽しんでいます。芸は身を助く、ではないですが、忙しくても興味のあるものには何でも挑戦しておくと、後で何かしらの助けになるのですね。これからも気になることがあれば、まずは始めてみようと思います。


蘇州にて

生活し始めた頃に比べると、格段に暮らしやすくなった中国。高層ビルが増え、キャッシュレス化が進み、物価の上昇も体感することが出来ました。北京オリンピックの2年前に旅行で北京に初めて訪れた時の薄暗い街の印象は、もうありません。いつかは夫の海外駐在が終わり、日本に本帰国することになりますが、この変化の大きい時期に中国で過ごした経験は、きっとどこかで役に立つと思っています。CAの仕事を通して得たものと中国生活からの経験をもとに、本帰国後はどんな仕事に就けるか、今も考えています。語学を生かした仕事もいいですし、思い切って全く違ったことにチャレンジするのもやりがいがありそうです。キラキラした海外生活とはかけ離れた、意外と地味な生活ですが、こんな駐在妻もいると思って頂ければ嬉しいです。