Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.031

第31回 丸山 ひさえさん2021/09/03

国内系大手航空会社で約5年4ヶ月半乗務した後、旅行会社、スポーツジム、コールセンター、アパレルを経て、現在人材派遣会社で営業職をしている丸山ひさえさん。結婚、出産、子育てなどのライフステージに合わせてその時々でベストな職に就いてきました。現在はキャリアコンサルタント資格を活用しながら、営業としてご活躍中です。退職後から現在に至るまでの経歴をインタビューさせていただきました。CA出身者にとっての転職の極意が見えてきそうです。



キッカケは旅行のパンフレット!?

就職先を選ぶ際に、CAは新卒の今しかできないかも!とメーカーや教育機関からの内定を蹴って、航空会社に入社した丸山さん。5年半経つ頃、CAでの経験を次のステージで生かしたくなり退職。退職金を使って南米やアフリカに旅行に出掛けたそうです。

「落ち着いて探すつもりで、次の仕事を決めずに退職したのですが、たまたま旅行会社のパンフレットの裏に『社員募集中』って書いてあるのを見てピンと来て、電話で応募してみました。」

そんな経緯で入社した旅行会社では、海外ウェディング事業部に配属された丸山さん。海外で結婚式を挙げたいカップルやその親御さんからの資料請求に手書きのお手紙を添えて返信することから始まり、カウンセリング、プランニング、渡航、挙式、ハネムーンの手配まで、長いスパンでお客様とお付き合いできることに、機内でのお客様との一期一会とはまた違った充実感を覚えたそうです。

「給与はCA時代より減りましたが、営業だったのでインセンティブもありましたし、何しろ忙しくて使う時間がほとんどなかったので、お金の面で困ったことはありませんでした。」

正社員にこだわらずライフスタイルに合わせた就業形態を選択

丸4年目前に社内結婚を機に旅行会社を退職した丸山さんは、挙式後すぐ妊娠が発覚し、女の子をご出産しました。お子様が6ヶ月になると保育園に預け、キャリアを再開。お子様の小学校受験準備までの5年間パートタイムでスポーツジムの受付を務めました。

「入退会の手続き、各種相談の一時窓口としてトレーナーに繋いだり、支配人に依頼され、全従業員向けの『マナー研修』や『ホスピタリティ研修』も担当したりしました。テキストを一から作って、自ら講師も担当しました。正社員登用の話もありましたが、土日や夜間の勤務はライフスタイル的に難しかったのでパートタイマーを選びました。」




家族の生活を第一優先に職場を選択

11月にお子様が通う小学校が決まると、通学経路の乗換駅周辺で仕事を探し働き始めます。コールセンターで契約社員としてのお仕事でした。

「まだ娘が小さくて、一人で通わせるのは心配だったので、一緒に家を出て電車に乗り、乗換駅で見送り職場へ向かい夜は学童へお迎えに行く生活を続けました。」

コールセンターでは、入社1ヶ月で品質管理の部門にスカウトされ社内トレーナー資格を取得。商品研修・コミュニケーション研修・コンプライアンス研修をご担当。研修がない時期には、コールセンターのオペレーター一人一人のコールを聞いて評価シートを書き、個人面談で改善点をお伝えする仕事もされていました。

「同僚にも恵まれてやりがいのある仕事だったのですが、コールセンターが移転することになり職場を離れることにしました。娘は4年生になり、一人でも通えるようになっていました。」




同郷の尊敬する経営者が営む最先端のアパレル企業での挑戦

またもや次の仕事を決めずに職場を離れた丸山さんが、次の職場として目をつけたのが、馴染みのあった世界最先端のアパレル企業。転勤がない地域限定正社員の募集を知り、飛び込みました。

「創業者が同郷で興味もありましたし、商品や会社のあり方に魅力を感じる憧れの企業でした。面接で自分の条件を全て伝えたところ、それでOKと内定をいただきました。

70名規模の店舗で、大学生のアルバイト、シニア雇用や障害者雇用の方まで多様性溢れるメンバーが一丸となってお客様対応するのがとても楽しかったです。最先端の企業で働いているというプライドが全従業員にあり、モチベーションが高くサボる人は一人もいませんでした。」

CSリーダーでもあった丸山さんの努力の甲斐もあり、CSアワードも受賞。波に乗っていた時に、運悪く脚立から落下。腰椎骨折を患い1ヶ月の療養生活を余儀なくされます。職場に復帰するも腰に残る痺れから立ち仕事に耐えられなくなり、店長の前で大号泣して2年半のキャリアに幕を閉じることになったのです。



点のように見えて線で繋がっていたキャリア

正社員もパートタイムも契約社員も経験した丸山さん。派遣社員の経験がないことに気付き、大手派遣会社を訪れます。派遣社員登録の面談に行ったつもりが、社員にスカウトされたのが5年前。現在に至るそうです。

「スタッフさんのフォロー担当として採用されたはずが、営業アシスタントとして仕事スタート、2年間のアシスタントを経て、今は営業をしています。派遣営業は、今の年齢でこれまでの経験があってこそ説得力のある仕事だと思います。ビジネスパートナーと対等に話せますし、自分が通ってきた道なので働くスタッフさんの気持ちがわかることも多いです。」

業務に関しては分からないことだらけだったそうで、入社後勉強を続けてきたそうです。労務や保険の必要最低限の知識を身につけ、メンタルヘルスマネジメント検定、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格も取ったそうです。

「今後のビジョンは、会社が受託してくる官公庁等でキャリア・カウンセラーとして働くこと。そして最終目標は、キャリアコンサルタント養成講座の講師です。」と満面の笑みで語ってくださった丸山さん。ライフスタイルに応じて主体的かつ柔軟な選択を繰り返し、常に目の前の仕事と真摯に向き合っていらしたからこその、今なのですね。
(取材:橋本恭子、相沢里奈/文:吉良悠子)





丸山さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
◆CAでよかったこと
良かったことは二つあります。一つは、転職の時に先方に「会ってみたい」とはじめから思ってもらえることです。「やはり笑顔が素敵ですね」「私の研修の先生もCA出身の方だったんですよ」など、初対面で言っていただくことが多かったです。もう一つは、ほとんどのトラブルを乗り越えられるということです。CA時代に遭遇した多種多様なトラブルやクレーム以上のモノにその後出会ったことがありません。CAを経験していたら、他の職種で経験するほとんどのトラブルは対応できます。

◆苦労したこと
元CAという先入観を持って見られてしまうことです。個人情報管理が甘かった時代は、転職すると「CAだったんでしょ」とみんなに聞かれました。時にはプレッシャーでしたが、そのプレッシャーを極力心地よく感じることで、仕事におけるセルフイメージを高めていたようにも思います。

エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
専門的なスキルは何もないと思っていましたが、CAは、そもそも「人が好き」「ホスピタリティマインド」「公平さ」「多様性」「グローバルな視点」などの価値観・マインドを持っていると思います。そして、時間厳守、チームワーク、報連相、危機管理等の行動特性を身につけ、それを徹底していると思います。

つまり、CAを経験した人には、キャリアの3要素のベースにある2要素について、どの業界でもどの仕事でも活かせるものが自然に身に着いています。
(※これ超大事(^^)/)
「知識・技能・資格」はいくらでも後付けできるので、大丈夫です。どうか自信を持って行動してください!

丸山さんのとある一日
 8:15   出社 コーヒーブレイク
 8:30   メールチェック
 9:00   朝礼
 9:15   オフィス出発 
10:00   顧客先(仲介不動産) 所長・スタッフさんと契約更新面談
11:00   移動しながらiPhoneでメール返信
11:45   電話2件(インフラメーカー総務部長/半導体メーカー勤務スタッフさん1名) 合間にランチ 
13:00  オンラインTeams面談 (自動車部品メーカー勤務スタッフさん4名続けて)
16:00  顧客先(ガス・住宅設備) 管理部長と業務車両使用の覚書締結 
17:00  社内オンライン研修参加 (契約書電子化研修)
18:00  事務処理
19:45  退社
20:20  帰宅 夕食
21:30  お風呂 洗濯 
22:30  勉強(キャリア理論家クランボルツ先生について) 
23:00  YouTube (BTS)少し観て就寝
丸山さんのMy Rule
☆彡 ポジティブフィードバック
とにかく良いと思ったこと、相手の素敵だなと思ったことをすぐに伝える! 
どんな小さなことでも! たった一言で良い。お世辞はなし。アイメッセージで。ビジネスパートナーにも同じ。
例:「所長の折り返しがいつも速くて、助かります!」とか・・・  
例:「○○さんのメールは簡潔でわかりやすいねー」とか・・・


☆彡 ストレスマネジメント・マインドリセット
笑顔でいること、だれかにポジティブに声をかけるためには、自分がいつもその状態にいたいから。
大きなトラブル対応してきたら帰りに1番好きなスイーツを買うとか、ストレスフルな1週間を過ごしたら土曜に無理やり早起きして近所の山に登り自然に触れる。または長距離(10kmとか)散歩をして神社仏閣に参る・・・とか、本に没頭するとか。そうすることで、またリセットされて、新しい日がスタート! それをこまめに、意識的にやっています。
元気(風邪もひかない)の秘訣はこの2つを継続していることです。


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