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2018.04.20 【カナダ・トロント生活  住み始めて思うこと】

皆様、こんにちは。日本は学校など新年度を迎え、
春の訪れと共に新しい環境に身を置いている方も多いかと思います。
先日、トロントのニュースでも東京の桜が満開になり、
人々がお花見を楽しんでいる様子が伝えられました。
こちらはまだまだ寒い日が続いており、先週は体感?12℃で雪がちらついたり、
強風でコンドの窓が割れる被害が出たところもあったようです。
ちなみにトロントにも桜の木があるのですが、今年は4月の終わりから咲き始めるようです。

さて、前回永住権が取れたとお伝えしたのですが、移民になった事でもう1つ出来るようになった事があります。
それは移民の為の英語の学校へ無料で行けるようになったという事です。
私も2月から通い始めたのですが、学校へ行く為には、まず最寄りのYMCAでスピーキング、ライティング、リスニングのテストを受け、
そして、自分のレベルに応じたクラスがある学校へ行く事になります。
学校の数も結構あるので比較的自宅から近くの場所で通う事が出来るようです。
この学校は政府が運営しているのですが、学校への交通費(Tokenと呼ばれるコイン型乗車券)も支給されます。
以前、トロントは色んな人種がいるとお伝えしましたが、私のクラスメイトも出身は様々です。
例えば、韓国、モンゴル、チベット、メキシコ、キューバ、チリ、ウクライナ、ベラルーシ、セネガル、イラン、パレスチナなど
今まで出会った事のない国の人もいます。
パレスチナのクラスメイトは旦那さんとの馴れ初めについて、
元々親同士が決めた結婚で、結婚する事が決まってから初めて旦那さんと会ったと言っていました。
日本では当たり前のように自分の意思で結婚する事が出来ますが、
国によっては現在でも、彼女の国のような習慣が残っているという事を知るのは、興味深かったです。
もちろん、私達日本人が当たり前のように思っている習慣や考え方も、国が変われば当たり前ではないという事もあると思います。

皆さん、日本という国名も知っていてくれ、日本に対して良い印象を持っていてくれているようです。
私はCA時代は海外ベースだったのですが、その国でも私が日本出身だと分かると“日本大好き”と言ってくれたり、
住むところを探しにviewingに行った際も“出来れば先日viewingに来た他の国の人ではなく、日本人のあなた達に貸したい”と言われた事もありました。
それは今まで日本人の方が海外でしてくださっていた行いが、今の私達日本人への信頼に繋がっているのだ、ととても感謝しました。
それと同時に、特に海外では“私個人”としてだけではなく、“日本人”として常に認識されていると思いました。
海外に出ると、外から自国について考えることができる、良いきっかけになりますよね。

“人種のモザイク”と言われるトロントですので、クラスや会社など、違う人種がいるのが当たり前。
そして、その人はカナダ出身のカナダ人だけではなく、他国出身のカナダ人、他の国籍保持のカナダ永住者であったりします。
差別はいけないとよく言われていますし、大多数は仲良くやっています。
けれども、人種差別、そして英語がネイティブでない人への差別はあります。
私がトロントへ来てすぐの時の話です。主人と路面電車の中で、日本語で会話をしていたら、
席はすごく空いていたのですが、私達のすぐ後ろに白人の女性が座りました。
もちろん、普通の声の大きさで話をしていたのですが、“声が大きくてうるさい。周りに迷惑だ。”と大きな声で言われました。
その時、近くに座っていた若い白人男性2人がすぐに“彼らは普通に話していただけで、うるさくなんかなかった。あなたの方がよっぽどうるさくて周りに迷惑を掛けている。”と私達の味方になってくれました。
白人女性は“ここはカナダで英語とフランス語が公用語なのだから、よく分からない中国語だか何処かのアジアの言葉じゃなくて英語を話せ”と言ってきました。
それまで主人も様子を伺いつつ彼女の言う事を聞いていましたが、
主人が“あなたの言いたい事は分かりました。あなたの意見は、カナダの公用語は英語とフランス語なのだから英語を話さないといけないんだね?”などと英語で話し始めたら、
その女性はまさか主人がカナダ出身だと思わなかったようで、急に態度がオロオロし、少しして路面電車を降りていきました。
今まで人種の事で露骨に嫌な思いをした経験がなかったので、
変える事が出来ない見た目(人種)で判断された事、
そして、そんな経験をしても自分で相手を(暴力的ではない方法で)言い負かすだけの英語力がない事をとても悔しく感じました。
それと同時に、見ず知らずの私達の為に、味方になってくれた2人には感謝しています。
周りの目を気にせずに、“違う”と思う事には、知らない人の為でも立ち上がってくれるのは、
カナダでの素晴らしい事の1つだと思います。



私は海外で暮らしていた事もあり、“トロントでもやっていける”、と思っていました。
それでも言葉や環境に慣れるまで、しばらくは不安や後ろ向きな気持ちになることもあり、
そんな時にその経験をしたので、また“見た目で差別されるのではないか”、“私の英語がネイティブじゃないことで嫌な思いをするのではないか”と、
1人で出掛けるのをためらう時期もありました。
主人は、“今まで見た目で差別された事はないけれど、英語が流暢かそうでないかで対応が違う事はあると思う”と言っていました。
また、ご主人が白人でいらっしゃる日本人女性が、”自分がお願いしたらNoと言われるけど、夫が同じ事を同じ人にお願いしたらOKと言われる事があるから、やっぱり差別はある”、と言っていました。
カナダに20年近くいる彼女でさえもそのような経験をしているのだから、私もそれくらいで落ち込んでいたらいけないな、と思ったのを覚えています。
もちろん人種関係なく良い人もたくさんいますし、大多数がそうだと思います。
ただ、そういう事実もあるという事ですね。

今では主人よりも1人で出掛けたりしていますし、
お友達や知り合いも増え、楽しく過ごしています。
自分の英語力など落ち込む事は多々ありますが、
これも自分で決めた事、自分のペースで頑張っていきたいと思います。

課外授業でオンタリオ州議事堂に行った時の写真