Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.002

第2回 田所 君予 さん2017/07/03

エアラインをやめるきっかけ

入社11年目を迎えた頃、CAの仕事にやり切った感が芽生えました。
次のステップはブライダル関連の仕事に就きたいと考えていたので、
当時人気がではじめていたブライダルコーディネータに興味を持ちました。

まずはCAとしてフライトをしながらブライダルコーディネータになるための講座に通っていたのですが、
講座日にどうしても休みが取れず、受講できない現実に直面。
辞めるタイミングを計っていたところはあったので、「今がタイミング!」と退職を決意しました。

とはいえ、講座受講終了後の就職先の確約はなかったのでその先の不安はありましたが、
「今しかない」そして「何とかなる」という、今思うとどこからきたのかわからない自信が自分の背中を押していました。

その後、講座も無事に終了し自力で就活をしていたところ、
なんともタイミングよく、都内某レストランのウェディング事業拡大のため、
ブライダルコーディネーターを数名募集の案件に巡り合い、正社員として就職いたしました。



ブライダルコーディネーターとして

初の転職は31歳。勉強をして資格を取得した、憧れの職業でした。
挙式予定のお客様のご希望を聞いてプランニングをし、
事前手配、調整、そして当日のアテンドまですべての工程を担当する業務内容でしたが、
人生の中でとても大切な行事のお手伝いをする、という大変やりがいのある仕事でした。

お客様、そして業者ともやり取りが頻繁にあり、また事務処理も初めての業務でしたので、すべてが新鮮でした。
この仕事に就く前にPCの勉強もある程度してはいましたが、
やはり実務経験で学ぶことも多く、それなりの失敗もありました。

何日か不在にする際、メールソフト機能で不在連絡設定をするのが常識だと思いますが、
その機能を知らず、顧客からの問い合わせに対応が遅れたことがあります。
私に不信感を抱いたその方は、私を担当から外してほしい、とのご要望。
痛い経験でしたが、一つ一つが積み重ねの毎日。一度あった失敗は二度としないよう、仕事に向き合いました。

一日一組限定のゆったりと挙式を進めるレストランウェディングスタイルでしたので、
挙式当日は早朝から現場に入り、アテンドする時間も長く、終了するのは夕方近くまで。
そのあとも別件の業務に取り掛かることが多く、その責任の重さや拘束時間が生活を圧迫して、
次第にワークライフバランスがとれなくなってしまいました。

残業が続く日も多く、決して楽な仕事ではありませんでしたが、
2年8か月頑張って続けられたのは、憧れて就いた仕事だったという理由だけではなく、
仲間にも恵まれたよい環境だったので、本当に楽しく仕事ができたと思っています。

事務職、接客、数々の経験。。。

34歳になる年に知人の紹介により就いた仕事は、都内に多く支店がある外資系のレンタルオフィスの受付でした。
受付とはいえ、そのオフィスで働く方々からの依頼の事務作業もあり、
いわば秘書のような事務アシスタントの役割も担っていました。

外国からの問い合わせも多く、電話、メール対応など英語を使用する機会もあり、
また請求書発行、資料作成、その他AV機器の設置などその業務は多岐にわたり、
幅広いオフィスワークが経験できる環境でした。

忙しい現場ではありましたが、淡々と作業をすることに違和感を覚え、
やはり人とのコミュニケーションを重視する仕事が恋しくなり、転職活動を開始。
35歳になると同時に再びブライダルコーディネーターとして、都内某大手ホテルで契約社員として就業しました。

入社後、まもなく正社員へのオファーがありましたが、会社の方針に馴染めず9か月で止む無く退職。
派遣社員として有名ブランド路面店の販売員を2か月経験後、
六本木に新規オープンのセレクトショップでのVIP対応運営チームに就職しました。
立上げのプランニングからたずさわり、オープン後はアテンドスタッフとして1年7か月活躍しました。
 
ようやくしっくりきた職場

しかし、残念ながらVIPチームが廃止となり、再び転職の壁にぶつかることになり、
転職するまでのそのつなぎの期間に、とフランス有名ブランドの路面店での派遣社員の仕事をしながら転職活動をしていました。
主に装飾品が有名であるそのブランドは、自分自身も好きなブランドです。
好きな商品に囲まれ質の高い接遇を求められる環境は居心地がよく、
何よりもその商品をお勧めし喜んで購入してもらうことが楽しく、充実した時間が過ぎていきました。

ちょうど40歳になった時、その実力が認められ正社員のオファーがきました。
その条件には新入社員を含む新しいスタッフへのトレーニング、いわば育成係としての任務もあり
やりがいが見いだせるオファーでもありました。

客室乗務員で培った接遇、後輩への指導力はこの現場でも活かせています。
日々、沢山の課題にぶつかりますが、販売とはいえお客様への応対は、
メンバーが同じ意識を持っていなくては質のいいサービスが提供できない、というのが今の実感です。

そして、9年目を迎えた今年、ショップマネージャーとなり、
今までとは違う視点でマネージメントができ、新鮮な気持ちで業務に取り組んでいます。
お客様への心遣いはもちろん、現場のスタッフが生き生きと働く姿が自分の喜びに変わっていることを実感しています。




空間、環境づくり、当たり前のごとく周りへの気配りが自然とできてしまう、
どこに行ってもベースはいつも、エアラインで学んだこと…
今までのスキルや自分が得意とすることが役立ち、
結果としていいモノを作り上げられることにつながる職場はそう簡単にはありません。

周りに流されることなく、自分のペースで今のポジションをつかんだ田所さんは
事務職も経験し、やはり接客が自分には合う、と実感された上での転職でした。
更なるキャリアアップを目指し、向かうところを模索中。
その遠くを見るようなまなざしは、まだまだ活躍の幅を広げていきそうな気配を感じました。


田所さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
良かったことは、
・同じ接客業でも、客室乗務員は本当に様々な客層そしてあらゆる状況を経験しているので、対応力の幅が違うと思います。
 また限られた時間の中でこなす業務が多いので、優先順位をつけることが得意ですし、時間の観念をもって行動する姿勢ができているのが強みですね。
・フライト毎に役割が違うので様々な視点で考えることができるし、相手の立場にたって仕事を進める事が出来ることは新人の頃から言われ続けてきたことです。

苦労したことは、
・オフィスワークでPC操作は基本中の基本なので、押さえておきたいツールです。
・CA=英語が話せる とみられます。ブラッシュアップは必要です。


エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
・今の時間をなんとなく過ごすことなく、しっかり過ごしてほしいです。いいことも悪いことも必ずつながっているから。
 表面的にやり過ごさないで、意味付けをして納得をして行動してほしいなと思います。
・いい人にならなくていい。信頼できる人になることが大切です。信頼される仕事をこなすことがいい仕事につながります。
 そして、どの世代にも大切なことですが、健康第一です。健康管理ができない人は、仕事ができても信頼度は低くなります。
 バランスよく過ごすことが大切だと実感しています。



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