Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.003

第3回 幸田 純子さん2017/08/01

憧れのCAへの道

高校卒業後、英語力をつけたいとアメリカ・シアトルの短大で英語を学びました。
大学卒業後、帰国した日本はちょうど就職氷河期。思うようにエアラインへの道が開かれませんでした。
しかし、CAへの道はあきらめきれず、CAになるためのスクールに通いながら
英語を活かすべく、外資系のコンサルタント企業でアルバイトをし、そのチャンスを待つ日々・・・
仕事は人事部人事課。社員の勤怠や経費レポートの管理をする仕事でした。
真面目な就業態度が認められ正社員になるものの、CAへの夢はあきらめきれず、 国内・外資系問わず、就活は続けていました。

ようやくCAの夢がかなったのは26歳。外資系エアラインで、香港への移住が条件でした。
憧れだったお仕事はとても楽しく毎日が過ぎ、同期にも恵まれ、充実した日々でした。
しかし、気持ちとは裏腹にどうしても環境に馴染めず体調をくずしてしまい、続けることが困難な状態になってしまったのです。
改善策を色々とためしたものの良くならず、「日本に帰国したほうがいい」、という医師の勧めにより、なくなく2年で退職することに。
帰国後は驚く速さで体調が回復。環境が合わなかっただけで、仕事への未練は残りました。
すぐに再びCAの道を考えるようになり、そしてそのチャンスを待ちました。

再びCAになれるまで

帰国後、古巣のコンサルタント会社からのオファーがあり、契約社員として就業。
たちまち忙しくなり、CAへの道は考えつつも試験を受ける余裕がなく、仕事に没頭する毎日が続きました。
ここでの仕事は社内の不正経理を指摘する窓口でしたのでとてもストレスフル。離職率が高い職場でした。
しかし、正義感・責任感の強さ、きちりとした性分からでしょうか、仕事に真面目に向き合うことで成果が目に見え、
とても充実していたので、5年間、続けることができました。
また精神的に大人の方が多く、刺激をもらえるような沢山の素敵な方々人との出会いもありました。
業務中だけでなく、プライベートも勉強になることが多い理想的な職場だったそうです。
自分を高められる環境でしたが、残念ながら部署が縮小のため中国への業務移行。会社都合で退職となりました。

その後は派遣会社も利用しながら、常に休むことなく仕事に携わってきました。
一度、総務部に配属になった企業で、管理事務職をしていた幸田さんに秘書職のオファーが来たそうです。
初めての秘書職をこなすために周りの秘書の方々をよく観察してお手本にしていたそうですが、
彼女たちは常に上司が気持ちよく心地よく仕事ができるような気配り、空間作りを心掛け、
上司とはあうんの呼吸で動いていました。
そういう意味では、CA、特にマナーやもてなしの気持ちを重視する日系エアライン出身の方が、
エアライン卒業後の職業として、得意なことが発揮できるふさわしい職の一つではないかな、と思うそうです。

ようやくチャンスが!

13年。オフィスワークをしながらも、いつも頭のどこかにエアラインへの道はありました。
そして、41歳の時、再びその道が開け、国内系のエアラインに就職しました。
ここでの仕事内容は飛行機内だけではなく地上業務も行っていたので、
お客様の導線や他部署の一連の流れがわかり、よりお客様の立場にたったサービスができ新鮮だったそうです。
同期を始め、先輩後輩に恵まれて楽しく仕事ができましたが、会社の業績が不安定になり
次の道として受けていたエアラインから内々定がでたのをきっかけに、
成田ベースがなくなるタイミングで切りよく退職をしました。

しかし、次のエアラインの入社日が決まらぬまま、連絡を待つ日々。
「内々定をもらっている会社からいつ声がかかるかわからない」のを前提にもかかわらず、
いつも就業先があり、オフィスワークの仕事に携わっていました。
今まで真面目に取り組んできた実績と器用さ柔軟さが、どこの場所でも対応できる彼女のスキルになり、キャリアとなっていることは間違いないのですが、
「いつかはエアラインに」という思いが、いつも彼女を支えていたのかもしれません。
 
やっぱり好き。これからもきっと。。。

2016年6月、シアトルにいつものように大学時代のホームステイ先に里帰り中、国際電話がなりました。
それは1年8ヶ月待ったエアラインからの内定の連絡でした。
帰国後、気持ちを整えるまもなく入社、厳しい訓練期間に入ったのが46歳。
独り立ちして、また大空を飛び始めている幸田さんです。

小さい頃から身近に感じていた飛行機が、
いつの間にか好きなもの、かけがえのないものになり、
支えとなり、そして職場となっていました。
今後も「気力・体力が続く限りこの仕事を全うしたい」と、
周りを明るくするとびっきりの笑顔が印象的でした。



今や「終身雇用」はどこにもありません。
不遇なことがあっても挫けない精神力、
なんでもチャレンジする前向きな心、
仲間やネットワークを大切にする気持ち、
いつもいつもそんなにパワフルではいられないけれど、
やっぱりそんな気持ちを大切にしていると、願いは向こうからやってくる、
そんなことを感じさせてくれる今回のインタビューでした。


幸田さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
CAだから良かったこと
・コミュニケーション力がつきました。
 外資系オフィスで働いてきたので、求められることは「結果」。
 個人プレーなので、丁寧さなどは評価につながりません。「結果」がすべてです。
 「報連相」という言葉は聞いたことがありませんでした。でもエアラインではチームワークが重要。
 情報共有や聞く耳を持つことが大事で、身につきました。

CAだから苦労したこと
・CA=気が利く、女性らしい、相手をたてる と思われていること。
エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
・エアラインで働いている方々は共通して色々な可能性を秘めている方が多いと思います。
 よく「つぶしがきかない」と嘆く声がきこえますが、そんなことはありません。
 元CAに「うちに来て欲しい」という会社は多いです。受付、アシスタントなど胸を張って転職して欲しい。
・真面目な方が多いので、ミスをしても自分を責めずに頑張った自分を褒めましょう。
 時には自分を甘やかすことも大切です。ストイックになりすぎず、バランス良く生活しましょう。
・ネットワークを大切に。そして、現場での仕事は真面目に取り組むこと。 
 その姿勢はどこかで誰かが見ています。そんな姿が追々、よき道を作ってくれたりするものです。


☆幸田さんへのご質問などございましたら、こちらへご記入ください。