Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.015

第15回 佐藤 友美さん(仮名)2019/08/06

社会人30年目を迎える現在もCAとして飛び続ける佐藤友美さん(仮名)。今まで勤務した航空会社は国内系・外資系合わせて6社。内2社は地上職と異色の経歴の持ち主。航空業界への強いこだわりがおありなのかと思いきや、意外にも短大卒業後の就職先は全くの異業界。まさか自分がCAになるとは夢にも思っていなかったそうです。

佐藤さんがどのような経緯でCAになられ、今でも飛び続けていらっしゃるのか、お話を伺いました。

CAという職業に出会うまで

「短大卒業後に入ったのはお堅い金融機関でした。周りも就職先といったら銀行や政府系機関など安定したイメージのあるところが多かったです。」
就職活動中、航空会社は選択肢になかった佐藤さん。初めて意識したのは、勤務先でデスクを並べていた1つ上の先輩が外資系航空会社に転職してCAになるという話を聞いた時でした。

「とても素敵な先輩がCAに……正直驚きました。彼女は前から空を飛ぶ仕事に興味があったそうです。その時すぐに私もCAになろうとは思わなかったのですが、このまま同じ職場でコンピュータの画面と向き合って同じルーティーンの仕事をしていく一生でいいのかなと考えるきっかけにはなりました。」

先輩との交流も続き考え抜いた結果、同期で一番最初に会社を辞め海外へ。入社4年目を迎える少し手前の事でした。

「小さい時から習っていたので英語は得意で、より磨きを掛けたいと思いオセアニア方面へ行きました。一年程勉強して先のことは決めずに帰国。たまたま手にしたJAPAN TIMESの求人欄で、某国内系航空会社が国際線新規就航にあたり英語を話せる人を募集していると知り応募しました。」

CA志望の同僚に囲まれているうちに自らもCAに!

成田空港での地上職として採用され、いざ働き始めると周りはCA志望の同僚ばかり。自然とCAという職種に興味を持つように。グランドスタッフになり半年した頃、外資系航空会社が日本人客室乗務員を採用すると聞き、チャレンジすると見事採用。住まいを海外に移し、日本人CAとして3年間空を飛ぶ仕事を続けました。

その間、駐在員だったご主人と出会いご結婚。ご主人を追いかけ帰国するタイミングで、金融機関時代の先輩が働く外資系航空会社へ転職。ところが、1年も勤務しないうちに出産のため退職。お子様が2歳になる頃会社から声が掛かり再入社。更にその1年後二人目の妊娠も分かり、会社の早期退職制度に乗り2度目の退職をします。
「当時は育休制度などなく退職するしかありませんでした。二人目の時はタイミングよく早期退職制度に乗れてある意味ラッキーでしたね。」


もう飛ぶのは辞めようと一度は思った……

「子供も二人になり、さすがにもう飛ぶのは難しいかなと思い英語の先生を始めました。週1日4時間だけですが、母に家に来てもらって子供達をお願いして外に出ました。英語教師はやってよかったです。仕事も楽しかったですし、おかげで履歴書に空間を作らなくて済みました。」

そんな生活を約2年間続けたところで、国内系新設エアラインが国内・外資問わずCA経験者を募集しているから受けてみたらとお友達から誘われた佐藤さん。応募すると見事合格!! 再び空へ戻ります。扶養範囲内で働く契約社員としての採用でしたが、バックグラウンドが様々な同僚との交流も面白く、国内系エアライン特有のサービスのきめ細やかさも学ぶ良い機会となりました。

すると今度は出産で離れた外資系航空会社への3度目の入社の話が舞い込みます。勤務中の会社を一年で退職することへの後ろめたさはありつつも、路線が限定され英語を話す機会が少ないことに物足りなさを感じていたこともあり、外資系航空会社へ戻る道を選んだそうです。3度目の入社後は6年間勤め、またもや人員整理で退職となりました。


次なる職は新規航空会社立ち上げの事務サポート

失業給付金をもらって半年間過ごした後、ハローワークで見つけた求人で就職を決めた佐藤さん。新規航空会社立ち上げに事務職として携わります。

「外国人ボスの下、地上でCAのアドミをサポートする仕事でした。ここではPCの使い方を勉強させてもらいましたね。金融機関や地上職で慣れていたのでタイピングは早かったのですがあの頃はワープロでしたので……。」

事務職とはいえ日本人スタッフとのコミュニケーションに苦戦する外国人ボスに頼られ、CAの採用から、物品の企画・調達まで何でもこなした佐藤さん。同年代のボスとの信頼関係も築き、CA達にはお母さんのように慕われ、英語力もCAとしての経験も活かせ、とてもやり甲斐を感じていたそうです。

しかし、またもや空を飛べる話が舞い込みます。年齢的にも最後のチャンスかもしれないとチャレンジし、数年前からはまた別の外資系航空会社で現役CAとしてご活躍中です。

「ボスに転職の意向を伝えたら一緒に喜んでくれました。私の人生にとってその方がきっと幸せだろうって。今も彼女とは交流が続いています。こう振り返ると、飛ぶことより英語が使える環境に身を置きたいという思いの方が強かったのかもしれませんね。」

やりたいようにやってきた結果、気がつけば航空業界の叩き上げ!!

どんな仕事でも目の前のことに一所懸命な佐藤さん、事務職では家に仕事を持ち帰ることも多かったそうです。
「CAはオンとオフがはっきりしているのがいいですね。二人の子育てをしながらもCAを続けてこられたのは、母のサポートと、外資系でフレキシブルな働き方が許されたというのが大きいです。震災の頃は心配でフライトに行かない月もありました。」

グランドスタッフ、CA、事務職と職種の幅もあり、日系・外資系など多様なエアラインでの就業経験を持つ佐藤さんは、いわば航空業界の叩き上げ。
「仕事自体は経験が活かせるのでとても好きです。将来はまた英語の先生もやりたいですし、カフェ経営も面白そうだなぁなんてお花畑のようなことも考えたりしています。」
仕事を続けてきて良かったし、これからも動けるうちは働き続けたいとおっしゃる佐藤さんの凜とした姿がとても眩しかったです。
(取材:相沢里奈/文:吉良悠子)


佐藤さんにQuestion♪
CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
◆CAでよかったこと
どの仕事も一緒と思っているので、CAだからという風に意識したことはあまりないのですが……。敢えて言うならば、いつも小綺麗にしていなければいけないというプレッシャーがあるのは、私にとってはいいことです。お客様とは一期一会ですから第一印象は重要です。年を重ねても、そこにきちんと意識が向けられることは良かったことかもしれません。

◆苦労したこと
事務職を久しぶりにした際は、ビジネスにおける日本語能力が低下していると感じ、ある意味苦労しました。
あと苦労とは違うかもしれませんが、出張が多いため、娘達には淋しい思いをさせているという自覚があり、かわいそうだなといつも思っています。ただ、その経験も彼女達にとっては将来の糧になるはずと信じて続けています。

エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
やりたいと思ったら行動に移すといいと思います。人に迷惑をかけてはいけませんが、どう思われるかはあまり気にしません。それから、転職の成功率を上げる秘訣として私が経験から学んだことは、履歴書にはなるべく空間を作らないということです!!




☆佐藤さんへのお問合せは、こちらへご記入ください。