Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.016

第17回 岩本 京子さん(仮名)2019/12/16

13年間国内系大手航空会社で乗務した岩本京子さん(仮名)。二人のお子様をご出産した後、料理教室講師を経て、現在公立小学校の教員として教壇に立たれていらっしゃいます。CAから教員という異色のご経歴について、詳しくお話を伺いました。

教員採用氷河期に教師になれずCAに

国立大学の教育学部へ通い教員免許を取得した岩本さん。教師だったご両親の影響もあり、迷いなく教師の道を目指していました。ところが、当時は教員採用氷河期、採用試験に挑戦するも残念ながら教師への道が閉ざされてしまったのです。

この先どうしようと考えた時、家庭教師をしていた中学生の教え子がCA志望だったことがきっかけでCAという職業に注目します。無事に国内系大手空港会社のCAになり13年間ご乗務。一人目のお子様育児休暇中にご退職となりました。

「教員が氷河期だったのに対し、当時はCA大量採用時代でした。『スチュワーデス・マガジン』という雑誌に付いていたハガキで採用試験に応募しました。ちなみに私が家庭教師をしていた教え子は男の子だったのですが、彼もその後CAになったんですよ。」

社会復帰を目指したが教員になりたいわけではなかった

「主人は私が社会に出ていることを望んでいました。私も働きたいと思っていたので、子供が小さいうちから近い将来就職することを意識し、キャリアコンサルティングを受けたりしていました。ただ一般の企業での就職は挑戦するもののなかなか決まりませんでした。」

そこで、好きだった料理やワインソムリエ、チーズの資格なども活かせると思い、料理教室の講師としてまずは社会復帰をスタートしたそうです。下のお子様が2歳半の時でした。義理のお母様に週3回お子様を預け、お仕事に行く生活を1年半ほど続けたそうです。

「仕事そのものは楽しくやりがいもありましたが、収入面等総合的に考えると、講師を続けるのは現実的ではないと判断しました。両親が学校の先生で教員は忙しいことを知っていたので、子供が小さいうちはできれば教員はやりたくないと思っていたのですが、結局そこへ行き着いてしまいました。」



いざ教員免許という武器使おうとしたが……

教員として働く覚悟ができ、まずは週30コマで担任は持たず15時には帰れるという非常勤講師として教育事務所に登録したそうです。ところが、教員としての実績がゼロだった岩本さんにはなかなか声が掛かからず半年間は専業主婦生活を過ごされたそうです。

「教育事務所に確認すると、非常勤講師でなく担任も持つ臨時的任用職員でないと実際に職に就くのは難しいかもしれないと言われました。大学卒業当初から教員を続けている大学同期にも相談をしてみたところ、彼女の勤務先の小学校に産休に入る先生がいるから校長先生にお話することはできると思わぬ方向へ話が進みました。」

通勤時間が片道約1時間半弱……チャンスではあるものの実際にそれで生活が回るのか。友人も招いて家族会議。よく話し合った結果、チャレンジすることにしたそうです。今から4年前の10月、岩本さんの教員としてのキャリアは産休代替として3年生の担任からのスタートとなりました。


家族の協力も得て教員生活を無事にスタート

朝6時20分に家を出て、1時間20分かけて通勤。幼稚園の預かり保育を使うこともできましたが、ご主人のお母様にサポート頂けることになり、お子様はおばあちゃんの家から幼稚園に通い始めました。

「初めに担任した3年生の終業式直後、ずっと張り詰めていた緊張感から解放されたのか1週間声が出なくなったことがありました。3年生の次は、紹介してくれた友人と組んで1年生の担任もさせてもらいました。1年生と6年生は小学校の中でも最も難しいと言われている学年なのですが、こんな形で経験させてもらえてありがたかったです。」

産休の先生が戻ってくるまでの1年半勤めた後、岩本さんはより自宅に近い今の小学校に異動したそうです。

「たまたまクラスが増えるということで教員の募集があったのです。今の学校では2年生、3年生と担任しています。」

教員としてのキャリアをスタートさせてからは、ノンストップの岩本さん。その間教員採用試験を受け、一度は落ちてしまったものの、翌年には模擬授業や面接対策もして無事合格、同じ小学校ですが、今年度からは新任の常勤教師として勤め始めたそうです。

「大学時代に教員免許を取っておいて良かったと思います。やはり資格は大事です。でも、教員免許は通信制の大学で取得することもできますし、教員採用試験も私の勤める市の場合59歳まで受けられることができますよ。」と岩本さん。チャレンジすることに年齢制限はないのだなと改めて教わりました。
(取材:橋本恭子/文:吉良悠子)


岩本京子さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
◆CAでよかったこと
早食いが得意なこと! 学校は給食なのですが、児童のケアをしていると自分自身がご飯を食べる時間はほとんどありません。CA時代に覚えた隙を見計らってさっと食事を済ますあの技は今も活かされています。先読みしながら優先順位をつけ時間管理をする能力も教員としての日々で役立っていますね。それから接客力は保護者対応にとても活かされていると思います。これはCAだからというわけではないですが、私自身が同世代の子供を持つ母であることも、保護者の方々には安心感を与えているようです。

◆苦労したこと
英語ができると思われてしまうことで、若干苦労しています。教科として教える英語とCAが業務で使う英語は全く別物なので。もう一つ苦労していることが、これはCAだからというわけではないですが、私はまだ教員の経験が浅いのに、年齢的にできそうに思われてしまうことです。職場で結構無茶振りされることがあります。ただそんな時はCA時代と同じノリで、エイッとやったことないことでも気合で乗り切るようにしています。CAって「やるぞ!!」と自分を奮い立たせるのが割と得意な人が多いですよね。

エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
やろうと思えば何とかなります。CAとして何年か仕事をしていた経験がある方なら尚更大抵のことは乗り越えられるはずですので、自信を持って一歩踏み出してみてください。それから、自分一人だけで頑張ろうとしないことも大切です。CAの職場でもそうでしたが、学校でも、どこの職場でも一人ということはないと思います。時には周りに助けを求め、協力を求めることも大切です。逆に自分ができることは労を惜しまずやる。そうすることで必ず自分にも返ってきます。世の中やはり持ちつ持たれつです。



岩本京子さんのよくある一日
4:30 起床、仕事の準備、事務処理
5:30 お弁当作り(給食室改装で給食がお休みのお子様と旦那様の分)
7:00 出発
7:40 登校、児童が登校するまで打ち合わせ・丸つけ・ライン引き等
8:15 児童登校お迎え
8:40 授業開始
12:10 給食、掃除、昼休み、午後の授業
15:30 児童下校、会議
16:45 残業
18:00 下校
19:00 帰宅、お風呂
20:00 夕食
21:30-22:00 子供と一緒に就寝

CA時代の不規則な生活より、今の生活は規則的でリズムがあって身体的には楽とのこと♪
岩本京子さんのMy Rule
・早寝早起き
・残業は18時までで切り上げる



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