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第20回 アリヤ 美穂さん2020/05/21

大阪のご出身で、3歳からクラシックピアノをはじめ、様々な音楽に囲まれて育ったアリヤ美穂さん。大学とのWスクールで、18歳からビクター音楽学校に通いヴォーカル・レッスンを受け、複数のバンドでも活動。業界から声も掛かっていたにも関わらず、ひょんなきっかけから客室乗務員に。国内系大手航空会社で10年間の勤務を経て、再び音楽活動へ。
ミュージシャンとして活躍するアリヤ美穂さんにインタビューしました。


元々音楽で生きていくつもりで新卒の就職活動はしなかった…

「音楽をプロとしてやっていくつもりで就職活動もしなかったのですが、両親には反対されていて、社会性を身につけて欲しいから一度はどこかの会社に就職するよう勧められていました。」

ご両親からプレッシャーを受けつつも就職活動はせずに、ケアハウスで介護のアルバイトをしながら音楽活動をしていた美穂さんが、CAを目指すようになったきっかけは、なんと当時大切だった人。密かにパイロットを目指していた彼が、内緒で試験を受け最終選考の健康診断で落とされてしまったことを事後報告で知らされた美穂さんは、

「そんなの悔しいから一緒に敵討ちをしよう! あなたがパイロットなら、私はスチュワーデスを目指す! 二人で航空会社に入ろう!」そう言って、すぐにスチュワーデス学校へ入学を決めたそうです。


修行の始まり、同期一の落ちこぼれのはずが……!?

スチュワーデス学校に入ったものの、「君ひどいね!」といきなり先生に目を付けられてしまった美穂さん。茶髪に言葉遣い、校長先生に付きっ切りで指導をしてもらったそう。ところが一見落ちこぼれの美穂さんは、たった半年で、同期で一番目にCA採用試験に合格します。

「試験が頻繁に行われている年で、地上職と客室乗務員と両方とにかく何回も受けていました。1次面接の1分間の自己紹介で落とされるという経験も何度もしました。不採用の通知には当然傷付きます。歌のオーディションに落ちるのと同じで、何が悪かったか、毎回自分自身で振り替りをしていました。」

そんな地道な努力が功を奏して、2次、3次まで進むようになると、より具体的な志望動機を問われるようになります。介護のアルバイトをしていた美穂さんは、高齢者や障害者の対応強化を目指す会社と巡り合い、日頃アルバイトで感じていた想いを大阪弁で熱弁したところ、採用が決まったそうです。


「誰かの役に立っていたい!」という思いは共通

入社後はひたすら大阪弁の矯正。毎回、教科書を読む係に指名されていたそうです。機内アナウンスの試験では、方言が抜けきらず、イントネーションの違いを何度も指摘され、自分はスチュワーデス物語の堀ちえみよりも落ちこぼれだと思っていたとか。

「緊急脱出の訓練では、事態を真剣に想像すればするほどアツくなってしまい、『緊急事態発生―』『靴を脱いでー』とどうしても語尾に大阪弁が出てしまって……。もう最後はアツさで押し通しました。教官たちも、声が大きくて通るし、みんなこの子の話は聞くだろうと諦めていらっしゃいました(笑)」


人生のターニング・ポイント

パーサーの資格も取り仕事は好きでしたが、体調不良から休職していた美穂さん。ようやく体調も整い復帰をしようと思ったタイミングで大規模なリストラ。復職は叶いませんでした。育ててくれた会社以外でCAとして働くことが想像できなかった美穂さんは、他社への転職の話も断りました。

仕事以外のいろんなことも重なり、人生のどん底期とも思えたこの時、美穂さんはこれからの人生について真剣に考えます。

自分には何ができるのか?
どんなことがあっても笑顔でいられたのはなぜか?
自分は何で人を幸せにできるだろうか? 
自分は何をしているのが一番幸せか?

そんな原点を見つめ直すべく問いかけを自分自身にし続けていると、
「小学校や中学校で、ピアノの伴奏を任されていた時のことが急に蘇ってきたんです。そこからもうばぁっと思いが巡って、やっぱり私は歌でいこう。本当にやりたい歌で生きていこう! そう決心がつきました。」

決断したら行動あるのみ。ライブハウスの予約を入れ、メンバーを集め、曲を作る。そんな日々が始まりました。





チャリティー活動をライフワークに

時期を同じくして、もう一つ美穂さんの人生にとって大切な出来事がありました。それはとあるスリランカ人との出会い。

「たまたま道を聞かれたのです。その方は柔道を習っているスリランカの子供達を大勢面倒みていたのですが、道を聞いていなくなったと思ったら戻ってきて、子供達を世話する人がいないから来てもらえないかと私に頼んできたのです。正直言葉もよく通じませんでしたが、困っていることは分かりました。ひとまず一緒に現場に行くと、確かに誰もいなくて、気付けば子供達へのご飯の配膳など私が手伝っていました。」

そうこうしているうちに、そのスリランカ人と仲良くなり、一緒に仕事をするようになり、スリランカへも足を運ぶようになりました。日本とは全く違うスリランカに吸い込まれるように魅かれていった美穂さん。目にしたことへの疑問を解消しているうちに、とある孤児院にたどり着きます。

「たとえ両親がそばにいなくても、音楽を聴かせて一緒に歌えば、心の底から嬉しそうに目をキラキラと輝かせている子供達を見ていたら、自分の悩みが急にちっぽけに見えてきたんです。『本当の幸せってなんだろう?』そんな思いが湧いてきて、私自身の価値観がガラリと変わる瞬間でもありました。」








本当に助けを求めている人がいる環境に身を置いてみたい

見たことなかった世界を知り、衝撃を受けた美穂さんは、せめて自分が関わったところだけでも、よくしてきたいと基金を立ち上げ、孤児院の修繕工事を実施。活動に賛同いただいた童画作家の徳治昭さんとコラボして、英語、スリランカ語、日本語の絵本を制作。孤児院の子供達と歌った歌も収録し歌絵本として仕上げました。

スリランカのことを深く勉強するうちに、ある共通のキーワードから今度はバリ島につながり現地を訪れた美穂さん。伝統音楽を聞きに行く予定で出会った地元ガイドさんの伝手で知り会った職人さんとフェアトレードを実現。オリジナルのガムランボール制作も果たします。

ご縁が繋がり、バリの音楽とサンバを融合させるイベントをプロデュースしたところ、現地の人たちにとってサンバのリズムは新鮮で大好評。バリ島でも孤児院を訪れ、子供たちと一緒に歌うなどの活動もしたそうです。

「全ては巡り合わせ。音楽という共通言語があれば、老若男女問わず国境をも越えてコミュニケーションが取れる、そう確信しました。」






ニューヨークスタイル・ウェディング

アーティストとして活動していれば、いい事もあれば悪い事もあります。落ち込んだ時に思い出すのは、ニューヨークで現地のジャズ・ミュージシャンとライブした時の事。

「無名の私は歌い終わるまで誰一人として目を合わせてもらえない、そんなアウェイな環境で度胸だけで、開き直って歌いきりました。今は亡きトランペット奏者に『君はすごいね、リアル・アーティストだね』と言っていただけたのが心の支えです。」

思い出の後押しもあって、多岐に渡る美穂さんの活動の中で、今最も力を注いでいるのが、ニューヨークスタイル・ウェディングの普及活動です。

「世代の移り変わりと共に、人と違う結婚式をしたいという方が増えてきています。その一つの選択肢としてご提案したいのが、パーティーの進行を生演奏と共にするニューヨークスタイル・ウェディングです。音楽に留まらず、アメリカの結婚式のようにブライズメイトやアッシャーとして友人を巻き込むスタイルや、従来の日本型の結婚式から取り入れたい部分は残して融合させるような、新郎新婦にとって一度きりの特別な結婚式のプロデュースを手掛けています。」

会場プランナーまたはフリープランナーさんのもと、音楽担当としてプランニング、実演奏を担当。アメリカン・ウェディングをもっと知りたいという思いから勉強を重ね、ABC協会(全米コンサルタント協会)のアシスタントプランナー及びプロフェッショナルウェディングヴェンダーの資格を取得したそうです。








一見突拍子もない行動や面白おかしいエピソードに驚いてばかりでしたが、「音楽を通して人を幸せにしたい。音楽で人と人の想いを繋げたい。」といった音楽に対する敬愛が、美穂さんから溢れ出しているように感じました。今後のご活躍も応援しています♪
(取材:橋本恭子/文:吉良悠子)





アリヤ美穂さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
◆CAでよかったこと
おもてなしの心とは、学んで身に付けるものではなく、その人の人となりや元々持っているものから滲み出てくるものだということ知れたことです。人は「いい心」と「悪い心」とどっちも持っていると思いますが、それをコントロールして自分自身の心の主になることが大切だと思っています。その為にも私は「自分らしさ」を大切にしています。そうすることで人にも優しくなれるからです。そして、人と自分は比較しません。自分の心にゆとりを持つことで、おもてなしの心を持てるものだと思うので、自分自身を常にいい状態を保てるよう工夫しています。

◆苦労したこと
なんだかんだ堅すぎること。人と会話していても常に状況判断、先読みをしてしまっているため、もっとくだけてもいいのかなと思う時がたまにあります。かしこまりすぎて面白くないと言われたこともあり、数年前からあえて大阪弁で喋るようにしました。かつてあれほど苦労して矯正したのに……です(笑)。

エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
チャレンジ中の私がアドバイスなんて生意気な感じもしますが、COVID-19の影響で今は転職や就職も大変かと思います。でも、決して諦めないということがやはり大切かと思います。継続は力なり。自分にとって幸せなことを続けていれば、奇跡は必ず起こります。自分を信じてください。

そして、笑うこと。笑顔です。嘘でもいいから笑うこと。笑顔は無条件に周りを幸せにしてくれます。これからの時代は金銭的なところではなく、マインド的なところがより大切になってくると思っています。心を強く持ちましょう。そのためにも人のことを想い、接点を持ち、仲間と助け合いましょう。

攻撃とは不安からくるもの。厳しい環境ではありますが、いいことも悪いこともあります。今を楽しくやっていこうという発想の転換から、物事のポジティブな面にフォーカスしていきたいと私自身は思っています。



アリヤ美穂さんのとある一日
6:00   起床、メイク・へアセット
8:00   衣装を着て家を出る
     レンタカーをピックアップして、
    メンバーを迎えに行く
    メンバー宅では機材を積み込み、
    朝食は車内で済ませる
9:30   現地入り、機材搬入開始
    音響セッティング、サウンドチェック、リハーサル
11:30 結婚式受付開始、控え室で待機
    メンバー用のお弁当を用意しておき、適宜食べてもらう
12:00  挙式開始 (ギター&フルート演奏)
12:30  カクテルパーティー(ボーカル以外インストの演奏) 
13:00  CDに切り替えながら、披露宴ではフルバンドで演奏 
    1部
    2部
15:30  お客様の退場を待って
16:00  搬出開始
17:00   プランナーさんや会場責任者にご挨拶して撤収
    メンバー送って、レンタカーを返却
19:00   帰宅
    リラックス&制作タイム
アリヤ美穂さんのMy Rule
どんな時も笑顔! おばあちゃんの教えです。




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