Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.027

第27回 赤木 八恵さん2021/05/26

大学時代アメリカへテニス留学までした経験をお持ちの赤木八恵さん。残念ながらテニスの道は断念し、地元宮崎空港のグランドホステスを半年経験した後、国内系大手航空会社へ就職しました。8年半のフライト生活を経て、現在は大手総合医療サービス企業にて管理職としてご活躍中です。地上に降りてから現在までの道のりについて伺いました。

CAは定年まで続ける仕事とは思っていなかった

元々体力には自信があったものの、CAとして求められる体力はまた別のものと悟った赤木さんは、CAは定年まで続ける仕事とは思っていなかったそうです。

「当時“CAは潰しが効かない”と言われることが多く、新たなスキルを身につけるためにも転職はそんなに遅くない方がいいだろうと思っていました。結果的に30歳で地上に降りました。」

初めの転職先は青山にある外資系のドレスブランド。持ち前のコミュニケーション能力が活かせる法人営業担当で、やりがいも感じていたそうです。今でも赤木さんが新規で開拓した店舗にドレスが置かれているなど実績も残しました。
もっと良いサービスを提供したい、よりお客様に寄り添える仕事を求め現在の会社に転職をしたそうです。

生まれ変わったら初めから医療に携わりたい

エグゼクティブ・コンシェルジュとして入社したのは、自費診療を主とした創業3年目の総合メディカルサービス企業。経営者や政治家などV I Pの健診のエスコートから始まり、お客様とドクターの橋渡しをする業務で、CA時代に培った接遇力や先読みする力がそのまま活かせる上に、一期一会の機内とは違って、長い期間でお客様との関係性を築けることに面白みを覚えたそうです。

「医療の勉強は難しいですが、自分にとっても、自分の大切な人にとっても無駄な事はなく、とても為になることばかりでした。医療知識は実務を経験しながら医師や看護師、検査技師、放射線技師の方に丁寧に教えていただきました。実際にすべての検査も受けてみて、何が苦しいのか、つらいと思うタイミングなのかを体感し、自分がわかりにくいと思った医療用語や医療の説明わかりやすくお伝えする事を常に気を配っています。」

エグゼクティブ・コンシェルジュを2年経験した後は、企業へ出向き役員向けの人間ドックを勧める法人営業、会員制の総合メディカル倶楽部の立ち上げ、新施設のオープニングメンバーにも抜擢。2施設の事務長を兼務しながら、自ら接客するなど、プレイングマネージャーとして業務をこなしていきました。
未経験の事でも色々な仕事にチャレンジさせてもらい、医療従事者の方、スタッフにも助けて貰いながら楽しく仕事をさせてもらっています。

もし、医療従事者だったらお客様への出来る対応の幅もぐっと広がるので、生まれ変わったら医療従事者になりたいと思う事もあります。



人生のビジョンを上司とシェアし応援してもらった

気が付けば38歳になり、子供がどうしても欲しかった赤木さんは、上司に相談して不妊治療を開始していました。その後、新たにクオリティーマネジメントの部署の新設とともに異動も経験しました。

「国内に複数ある全施設のコンシェルジュ、看護師、放射線技師、臨床検査技師のマニュアル作成、整備、接遇マナー研修、サービスレベルチェックを担当する部署です。既にマニュアル化されていたノウハウに加えて、入社当初からの現場での経験や気づきも全てアウトプット。そのまま使えるトーク集を数多く取り入れ、施設ごとに現場に即した痒いところに手が届くマニュアルを産休までに作り上げました。」



職場復帰

管理職として働く赤木さんは、この5月に2回目の育休から復帰しました。

「待機児童が多い地域に住んでいたこともあり、子供たちの保育園への送迎を協力してもらえるよう、思い切って夫の職場近くへ引っ越しました。朝は少し長めの通勤時間を利用して子供達の保育園への連絡アプリ入力、メール処理、今日の仕事の確認、読書、生協を頼む時間にあてています。」

C A時代も無駄を省く、忖度はしない、大切なことを大切にするとポリシーがしっかりしていた赤木さんが「定年までこの会社で勤め上げたいと思っています。」と力強くおっしゃっていたのが印象的でした。持ち前の判断力と推進力で、今後も益々会社に貢献されることでしょう。
(取材:橋本恭子/文:吉良悠子)





赤木さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
◆CAでよかったこと
観察力、先読みする力、危機察知能力が磨かれたことは業務全般に役立っています。中でも、社内においても、お取引先においてもキーマンを見つけるのが上手いのは観察力の賜物です。マナー研修やサービスレベルチェックで、真剣に耳を傾けてもらえるのは、元CAという経験にも助けられているように感じています。また、接遇やマナーの基礎がしっかりと身に付いているので、即戦力として活かしていけます。
他にも、各地、各国の話題、食べ物の話題で、お客様との距離を縮める事ができること。ソムリエの資格は、お客様や、医師もワインがお好きな方がとても多く、コミュニケーションに役だっています。


◆苦労したこと
同じ目線でサービスの提供ができない職場だとストレスを感じてしまう事。
現在の職場ではそのような事はなく、気が付いたことや改善策を提案することのできますので、風通しの良い会社だと思います。

エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
転職する際は一旦条件が変わることもありますが、CAの経験、感覚、鋭さがあれば、頑張り次第で認めていただけると思います。

【CAを辞める時に感じた生活への不安】
新たなチャレンジは将来への投資だと考えました。
どこにでも簡単に行けていたのが行けなくなる事が残念だとも思いましたが、しっかり生活を組み立てて、現役の時と同じくらい、好きなタイミングで旅行を楽しめる基盤を作る事をモチベーションにました。

赤木さんのとある一日
 4:50  起床
    身支度
     2名分の保育園の準備
    朝食の準備
    洗濯物をたたむ
    夕飯の下ごしらえ
 6:10  子供達起床
 6:20 出発
 6:30 電車に乗る
 7:50 出社
 8:00  仕事開始
13:00 昼食
16:00 退社
18:00 保育園お迎え
    帰宅後子供達をお風呂に入れる
    習い事のワークや、練習のフォロー
19:00 夕食
20:00 歯磨き、読み聞かせ
20:30  寝かしつけ
21:00 翌日の準備
    洗濯物を干す
    食器を洗う
    お風呂掃除
22:00 就寝
赤木さんの仕事をする上で大切にしていること
良いサービスの提供にはとにかく現場のスタッフのチーム力しかないと思っています。
各施設をまわる時にも、現場のスタッフが接遇に集中できる環境づくりを目指してヒアリングし、動線、業務の見直し、受けた相談の解決はスピードを大事に解決できるように心がけています。
医療従事者の方とお仕事をするので、専門知識であっても妥協すること無く理解するようにしています。



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