Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 今月の聞かせて!お姉様 > 今月の聞かせて!お姉様 No.029

第29回 小林 恵里子さん2021/07/07

国内系大手航空会社で5年間乗務した後、現在はCAスクールの講師、編み物や水引のクリエイターとしてご活躍中の小林恵里子さん。34歳でCAの職に就く前は、グランドスタッフや放送局での営業事務のご経験もあります。やると決めたことはやり切る小林さんのこれまでの人生にインタビューで迫りました。



何がなんでもCAになりたかった

憧れていた大学の同級生がCAになると聞いて、初めてCAに興味をもった小林さんは、大学を卒業した年の5月に第二新卒でCA受験するも願い叶わず、グランドスタッフになります。

「7年間、CA受験を続けながら伊丹空港でグランドスタッフとして働きましたが、当時CA受験に年齢制限があったため一旦CAを諦めて、30歳になる頃転職してOLになりました。放送局の営業事務の仕事でコミュニケーション能力がかわれて採用され、心配だったPCスキルは就職してから身に付けました。」

OLとして3年働いた頃、CA受験の年齢制限が撤廃されたため、小林さんは再びCAを目指します。同じ放送業界で土日休み、残業なしの職に転職し、接客の感覚を思い出すために土日はホテルでのアルバイトも始めました。業務終了後はCAスクールに通い、日系、外資系と全てのCA求人に応募し続けたそうです。

「スクールでも若い子が多くて恥ずかしかったのですが、どうしてもCAになりたかったのです。」

国内大手航空会社のCAとなり戦い続けた5年間

何年も合格する人を見送る立場だった小林さんがCAの職に就いたのは35歳になる少し前のことでした。

「夢は叶うものなのだぁと感動しました。最後はもうこれ以上の準備はできないというくらい準備をし続けて挑みました。

正直CAになれるならどこへでもいくと思っていました。なんなら初めの数ヶ月はお給料もいらないからCAにならせて欲しいと思っていたくらいです。もう最後は意地だったかもしれません。」

当時を振り返り、なりたいと強く思うこと、マインド面を整えることの大切さを強調されていた小林さんは、この時の経験を現在CAスクールの講師として同じようにCAを目指す方達に伝えていらっしゃいます。

関西で生まれ育った小林さんはCAになるために上京します。毎月関西に帰っていたそうですが、上京する時はいつも戦いに行く心持ちだったそうです。



次の節目を迎えるときに考えたこと

国内線、国際線、ビジネスクラス、海外ステイとCAとして一通り全てを経験した小林さんは、40歳を迎える頃地上に降りることを決意します。

「誰にも相談せず辞めると決めました。CAという仕事を通して多くの事を経験し成長することができ“もうやり切った”という思いでした。そんな私が次に求めたことは“もっと女性らしい丁寧な暮らしがしたい”という思いでした。」

後ろ髪を引かれることなく、退職した小林さんは、地元兵庫へ帰り再び放送局へ就職します。時を同じくして友人からの紹介で募集を知ったCAスクールの講師にも応募し、平日夜と土日はCAスクールの講師としても活動するようになるのです。

エアラインスクールの合格祝賀会


女性らしく丁寧に生きるとは

CAとして働いている頃から婚活をしていた小林さんは、結婚して妻になること、子供を産んで母になることを「女性らしく生きること」だと思っていたそうです。

「自分の中に男性的な部分が多いことに気づきました。成し遂げたい事があるとそれ以外のことは必要ないと思う傾向があります。ですが婚活をする中で、結婚することだけが女性らしく生きることではないのではないか? と気付いたのです。」

小学生の頃から編み物を習っていた小林さんは、特技を生かしたものづくりの仕事をするようになります。百貨店に出展する話が舞い込み、編み物より作品数を多く準備できる「水引」を作り始めたのです。



「小さい頃から編み物をしている時間は目の前のことだけに集中する事ができ心が整う感覚がありました。まさに『マインドフルネス』です。そうやって私は『静と動』のバランスをとっていたのだと思います。」

いつも頭を働かせてフル稼働している女性が、ちょっと一息つける場所、女性であることを楽しめる場所。そこがあるからまた頑張れる♪ そんな場を提供すべく、現在ではシェアオフィスを借りて、編み物や水引のレッスンをしているそうです。


女性の幸せをプロデュースしていきたい

小林さんが今成し遂げようとしていることが、彼女の特技でもある「ものづくり」を軸とした女性活躍の場をプロデュースすることです。

「同じようにものづくりをしている人たちと一緒に仕事をしていきたいと思いっています。いろんな先生とコラボしてイベントをしたり、オンラインショップで販売している水引を今は一人で作っていますがいずれはチームで製作したり。同じような特技を生かしたい女性たちを巻き込める仕事を作っていきたいと考えています。」

一本の糸からなんでも紡ぎ出すことができる小林さんの将来は、とても自由で、クリエイティブで、可能性が広がっています。でもそれは決して小林さんに限ったことではなく、そうしたいと望みさえすれば、誰でも叶えることができることなのかもしれません。
「女性は、自分自身の人生のプロデューサーであるという生き方が一番幸せになれると思っています。」そんな彼女の力強いメッセージを反芻すると、どこからともなく勇気が湧いてくるのでした。
(取材:相沢里奈/文:吉良悠子))





小林さんにQuestion♪
転職して、CAだったから良かったこと,,,苦労したこと,,,
◆CAでよかったこと
全て良かったです。それまでの自分の経験を価値に変えることができています。
人付き合いやコミュニケーション能力も更に育まれました。先回りして物ごとを考えることは、OLしていても、何かを学んでいる時でも活かされています。+αを受け取ってこよう、他にできることはないか考えようという思考や行動の癖を作ることができました。

◆苦労したこと
CAは何でも知っていて何でもできると大きな期待される傾向があります。またCAもそれに答えようとしてしまう節があります。完璧を求め過ぎてしまうことは時として行動の足枷になることもあります。同じように周りに期待し過ぎてしまうことで自分が苦しむこともあるので、その辺りのバランスを取るのに少し苦労しました。

エアラインを辞めて転職を考えている方へのアドバイス
実はCAを辞めてからコーチングを習いに東京に通っていた時期があります。私はコーチングを仕事にはしませんでしたが、セルフコーチングができるようになり重宝しています。

もし何かに迷って一歩踏み出せないときは、間違えたくない、失敗したくないと思っているときだったりします。何に迷っているかを明確にして、とりあえず何か一つでも行動してみるといいと思います。問合せをしてみる、体験レッスンにいってみる・・・小さなことから行動してみる。あとは迷っていてはダメという思いもあるのかもしれませんが、迷いながら進んでいいと思います^^動きながら解決することが多いので。

例えば習い事や資格取得もやってみて使い物にならなかったらどうしようと心配することがありますが、やってみて合わなかったら、それがわかったこと自体が大きな収穫。それでいいのではないでしょうか。私もたくさんそんな経験をしています(笑)
結局のところ、自分の人生のプロデューサーは自分しかいないのだから、自分がどうしたいのか自分自身にしっかり問いかけること、あとは先に進んでいる人と話すことで自分がどう思っているのかはっきりすることもあります。
CAはほんとに自分たちが思っている以上に色々な能力を身に付けていることを、外に出て改めて実感しています。どんな業種であっても人と仕事をする上でなくてはならないものを沢山持っているので、転職を考えているのであればぜひチャレンジしてみて欲しいです。

小林さんのとある一日
*水引レッスンのある日

8:00 起床
    朝食を食べる
   ストレッチして頭と体を起こす
10:00 シェアオフィスでレッスン準備
10:30 水引体験レッスン
13:30 水引レッスン
16:00 レッスンに来られた方への
    フォローメールや次回のレッスン準備
19:30 夕食
24:00 就寝


*エアラインスクールのある日

8:00 起床
    朝食を食べる
   ストレッチして頭と体を起こす
9:00 仕事スタート
    メールやオンラインショップのチェック
    商品企画を考えたり、作品制作など
    完成した商品の撮影、ショップ掲載
    ブログなどの下書き
12:00 昼食
15:00 エアラインスクールにてレッスン
   (15時~、17時~、19時~の3コマレッスンをする)
22:30 帰宅
24:00 就寝
小林さんのMy Rule
やりたいと思ったことは、何でもとりあえずやってみる。
(役に立たないことはない、意味のないことはない!)

向いているかどうかはやってから判断する。
とにかくやってみないと分からない。

自分を大切にするためにも、やりたいことを自分に
「させてあげる」という客観的な気持ちを持つこと。







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