CureAile開設3周年記念スペシャル企画 キャビンアテンダントの「今」「これから」について2020/09/01

2020年6月1日をもちましてCureAileは開設3周年を迎えました。

現役・OGキャビンアテンダントの「今」「これから」を発信するサイトとして運営しているCureAile。あっという間に4年目に突入です。少しずつではありますが、会員数を伸ばし、またCureAileがきっかけで繋がったご縁で、新たな世界が広がるという事例も増えつつあります。

今回CureAile開設3周年記念スペシャル企画として、セカンドキャリアを応援する立場、CAになりたい方をサポートする立場、CAのセカンドキャリアを確立して活躍している立場の3名のパネリストをお迎えし、編集委員の橋本、相沢の進行の下、座談会形式でお話をしていただきました。テーマはCureAileのキャッチフレーズでもある

キャビンアテンダントの「今」「これから」について

コロナ禍でキャビンアテンダントの働き方にも変化が訪れています。こんな今だからこそ、今一度自分たちの価値について見つめ直して欲しい。そんなお三方の想い溢れる座談会となりました。

<パネリスト・プロフィール>

CureAile運営事務局 代表 地頭江正美
長年人材紹介コンサルタントとして活動中。自身が客室乗務員出身の上司の下で働いた経験もある。客室乗務員経験者が身近に多くいる環境で働く中で確信した客室乗務員経験者のポテンシャルを企業への啓蒙する傍ら、数多くの客室乗務員出身者の転職サポートの実績を持つ。

株式会社ひこうき雲 代表 古賀恵美子
JALで34年の乗務歴。在職中に人事採用担当として人材教育や採用試験に携わった経験を活かし、「はたらくこと」を支援したいという想いから独立・起業。主にCAを目指す若者たちの就職支援サービス(通称「古賀ゼミ」)を手掛ける。

四柱推命鑑定師 新井雅恵
CureAile会員代表でもあり、CureAile人気コーナー Melior☆開運☆LOUNGEでおなじみの四柱推命鑑定師。客室乗務員経験者からのセカンドキャリアに関する鑑定依頼も数多く経験している。


オンライン対談の一コマ

古賀ゼミへの想い

地頭江:古賀ゼミでは就職内定率100%(エアラインは90%強)を維持とのことですが、素晴らしいですね。

古賀:ありがとうございます。CAを目指すのであれば絶対にその夢を実現して欲しい、そしてなった暁にはCAとして活躍して欲しい! そう思って、若者たちと向き合っています。そのためにも、CAの仕事が華やかな部分だけではないことをしっかりお伝えしています。

地頭江:そこは重要ですね。私は長年客室乗務員経験者が多くいる環境で仕事をしてきて、一見華やかではない部分にこそ職業人としてのCAの価値が溢れていると考えています。保安要員としての危険察知能力、お客様に対する予測した動きと言動、乗務員内での徹底した報告・連絡・相談などといった部分です。

古賀:結局、憧れの域だけでCAになった方は直ぐに辞めてしまうのですよね。ゼミでは加えて航空業界の歴史や、国の政策、面白みなども力を入れてお伝えしています。入社してからこういうことをしたいと主体的に考えられる人を育てたいのです。「内定はゴールではなく、スタートラインに立つこと」と口すっぱくしてお伝えてしています。入社したら最低3年は続けて欲しいですね。

地頭江:3年は必要ですね。いろんな情勢ありますので、厳しい場合もあるでしょうけど。

CAの先には何がある?

地頭江:古賀さんの所にいらっしゃる客室乗務員志望の方々は、CAの先のキャリアをどのように考えていらっしゃる方が多いのでしょうか。

古賀:とにかくCAだけという子もいますが、初めから先を見据えた上でまずはCAという方ももちろんいますね。以前、CAになりたいか迷っている、あれもこれもやりたいという子を面倒みました。海外に飛んでいきたい、紀行文を書きたい、留学もしたい、大学院も行きたいと。「全部やれば!」と言って、優先順位を一緒に考えてあげました。結果、まずはCAからだねという話になり、CAをめざしたというケースがありました。

地頭江:私のところに転職相談にいらっしゃるCAの方も十人十色です。企業で働きたい方、迷われている方、ぼんやりとやりたいことがあって背中を押して欲しい方。相談された結果、起業準備を始めます、いったん専業主婦します、という流れもあります。

古賀:私のところにも元教え子が相談に来ますよ。タイミングよくご縁のあった経営者さんにご紹介したこともありました。

地頭江:セカンドキャリアと聞くと、転職をイメージされる方が多いかもしれませんが、起業も家庭や子育てに専念することもセカンドキャリアです。大事なのは本心から望んでいる道かということ。お話してみると、まだ地上に降りたくないという方も一定数いらっしゃるので、私は必ず「飛びきりましたか?」と確認します。

古賀:いろんな事情があって辞める時はそれぞれのタイミングで来ますね。特にパートナーの存在は大きいです。CAの勤務スタイルが特殊ですので、生活パターンが合わなくなり、働き続けることを諦める方は実際多いです。

新井:確かに自分の思いだけでは決められない部分もありますよね。私の場合、体調不良がきっかけでしたが、辞める決断自体はあっという間でした。辞めようなんて一度も思ったことなかったのですが、その瞬間「飛び切ったな」と思えたんですよね。

古賀:「飛び切る」って要するにCAという職を卒業する覚悟ができたってことですね。

地頭江:まさにその意味合いで聞いています。後ろ髪引かれたままだと、思うように前に進まないのです。覚悟が決まらないうちは、無理に動かなくてもいいと思います。もちろん、先を見据えていろんな準備をすることは大賛成です。ちなみに古賀さんはどんな原動力で起業されたのでしょうか。

古賀:実は私、起業しようとは思ってもいませんでした。退職して企業からのマナー講師の依頼を受けた際に、大手企業と取引するなら会社の方がいいというアドバイスをいただいたため、会社にしました。ある意味、請求書のやり取り等々何も知らずに起業しちゃっていた感じです。

地頭江:エイっとやってしまうところが実にCAらしいなぁと思いました。

古賀:勢いで始めましたが、やったらちゃんとやりたいんです。やはり関わる人たちを幸せにしていきたいですし。会社経営のイロハはいつも周りの方に教えてもらっています。飲み歩き、食べ歩きが大好きなので、そういうところで出会う経営者さんからいろんなことを学んできました。振り返ればもう12年です。

地頭江:CAならではのコミュニケーション能力の高さ故為せる技ですね。最近ではそこを理解している企業が多く、コミュニケーション能力の高い客室乗務員出身者をピンポイントで狙っている求人案件も多いんですよ。

どんな道を選ぶにしても共通して言えること

古賀:CAを辞めて会社を離れた時点でもう会社の看板はなく、最後は自分の人柄次第ということを覚えておいて欲しいですね。そこを分かっている人とそうでない人では、何をするにしてもやはり差が出てきます。

地頭江:確かに会社の看板は無くなりますね。ただ一度でもCAを経験すると、客室乗務員経験者というラベルは付いて回ると思います。

古賀:それはいい意味でも悪い意味でもありますね。先入観でCA出身のマナー講師は嫌だという企業もありますからね。

地頭江:たまたま最初に出会ったCA経験者で嫌な思いをしたのでしょうね。それだけでCAはちょっと……と思われてしまう。みんながそうというわけではないのに、残念な事例ですね。逆に先ほどお話ししたように客室乗務員出身者だから採用したいという企業ももちろんあります。

古賀:CAの仕事って見た目の印象、キャビンに出ている姿、社会的なイメージといろいろありますが、良くも悪くも「固定概念」で見られているのは事実。だからこそ、真摯に向き合っていかなければと思います。お客様からクレームを受けるのも大切な経験。それによって自分に驕りがあったかもと気付くことができます。失敗も大事。いろんなことにぶつかって乗り越えた経験があってこそ人は気付けるのです。今回のコロナもある意味いいチャンスです。航空会社としての新たな衛生管理の在り方も問われています。シーンによってはCAの毅然とした態度が求められると思います。これまでにはお客様の目に触れることが少なかったCAのスキルが表に出るようになるかもしれませんね。

新井:CAでの経験は、会社を離れても本当に役に立つことばかりです。私もキャリアの悩みを聞く機会があります。働き方も選択肢が増えているからこそ悩みも多岐に渡っている印象を受けます。答えは必ず自分の中にありますし、既に皆さん経験やスキルをお持ちです。今という軸を持って自分を客観視することのお手伝いをする役割をいただいている私が強調したいのは、周りに惑わされないで、自分自身と向き合い自分なりの決断をして欲しいということです。

地頭江:その決断のお手伝いは正に我々も得意とするところですね。是非頼っていただきたいと思います。


オンライン対談の一コマ

対談を終えて

客室乗務員経験者の転職希望が増えています。コロナ禍で乗務本数が減り不安定な状態に見切りを付けての行動と思われますが、浮き足立っている感も否めません。採用側もそれを見越して強気になっているように伺えます。

「飛び切った」と覚悟を決めるも決めないも自分次第。積み上げてきた経験は間違いなくこれからの人生における資産としてご自身の中に残るでしょう。どんな道に進むにしても客室乗務員経験者というラベルはついて回るでしょうが、結局最後に残るのは自分自身の人柄です。

あなたはどんな人生を送りたいですか?
こんな時だからこそじっくり向き合ってみるのもいいかもしれませんね。

編集委員:橋本恭子、相沢里奈


 


古賀恵美子さん
株式会社ひこうき雲:https://hikouki-gumo.com/



新井雅恵さん
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