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第18回 From Singapore vol.22019/12/26

こんにちは。ガウディです。
私が住むシンガポールは多民族国家です。
民族比率は、中華系74%、マレー系13%、インド系9%。

ラッフルズがシンガポールを自由貿易港とすると、あっという間に東南アジアの貿易拠点となり、仕事を求めてたくさん人がやって来て、様々な人種のコミュニティーができました。

この時、民族同士が争うことがないように、それぞれの住む場所が決められました。実は、観光地チャイナタウン、リトルインディア、アラブストリートなどは、そうした政策の名残です。

対照的に、戦後イギリスからの独立を果たしたリー・クアンユー首相は『私たちは多民族国家になろう。マレー人の国でも、中国人の国でも、インド人の国でもない、民族、言語、宗教、文化を超えてひとつになろう。』と民族の融和を唱えました。

それぞれの民族が触れ合いながら理解を深めるように、公団住宅は国の民族比率と同じになるように世帯数が決められています。

幼稚園の前で

娘は日本人のほとんどいない幼稚園に通っていました。
そこへ日本人の女の子しおりちゃんと、日本人とパレスチナ人のハーフのママとドイツ人とトルコ人のハーフのパパの間に生まれた女の子ジャンナちゃんというお友達が加わりました。

ある日、しおりちゃんのママとバーベキューをしようという話になりましたが、ジャンナちゃんのご家族が信仰するイスラム教では食べてはいけないものや飲んではいけないものがあります。

一緒にバーベキューを楽しむのは難しいかなと思えました。そこで、そのことを夫に相談しました。

すると夫は『ハラル*のバーベキューにしたら?』とあっさり。たまにはお酒のない、いつもと違うバーベキューだっていいじゃないかと言うのです。

自分の考えの狭さにハッとさせられました。結論から申しますと、その時開催したハラルバーベキューは最高においしくて、最高に楽しかったです。


*アラビア語で「許されている」という意味。ここではイスラム教のルールに沿って食べることが許されているもののこと。 

ハラルのバーベキュー

私たち日本人は、色々な人種、宗教の人と触れ合う機会が多くなかったせいか、知らない世界を難しく考え過ぎていることが多いかもしれません。

かつてスペシャルミールを提供した時の緊張感から、違いを特別なものと捉え過ぎていた気もします。

ジャンナちゃんファミリーとの交流から、また、シンガポールで日常的に目にする民族、言語、宗教、文化の異なる人たちが交流する姿から、相手を尊重しながらも特別視せず、ありのままを受け入れ共に在ることは、難しいことではなく、自然な在り方だということがわかります。

シンガポールにいらしたら、ぜひホーカーセンターやフードコートをのぞいてみてください。
様々な民族の料理や、それらの要素が混ざり合って生まれた料理を自由に楽しむ人たちの姿は、とてもシンガポールらしいものです。


日本人小学校で行われた夏祭り