Cure Aile ホーム > たまてばCOlumn > 海外リレーコラム > 海外リレーコラム From Germany vol.2

第25回 From Germany vol.22020/05/22

Guten Tag! ドイツ在住のアーレンス(有田)栄子です。
今回のテーマは食ということで、ドイツの食文化についてご紹介したいと思います。 
 
ドイツと言えばソーセージとビールというイメージですが、普段はどんな食事かというと、 朝/パン、チーズ、ハム、シリアル等、昼/温かい食事、夕/パン、チーズ、ハムなどと極 めてシンプル。朝だけでなく夕食もパンとチーズ等で済ませることが多く、この食文化はカルテスエッセン(冷食)と言われています。ドイツ家庭の殆どは共働きでなので、平日の夜 は時間をかけず簡単なもので済ませたい、キッチンを汚したくないと考えている人もいる 他、ドイツ人は食にあまりこだわりがないとも言われているので、パン、チーズ、ハムを朝夕、しかもずっと続いても全く苦にならないようです。 
 

各家庭で温かい食事を食べる時の代表的なメニューは、国民食の一つであるシュニッツェル (豚肉のカツレツ)でしょうか。レストランでも定番メニューになっていて、クリームマッ シュルームソースやコショウの効いたソース、シンプルにレモンを絞って食べたりします。 





シュニッツェル(豚肉のカツレツ)は国民食。フランクフルトにはご当地ソースとして「フラ ンクフルター・グリューネゾーセ」というマヨネーズベースのハーブソースがあります。


その他のメニューとしては、豚肉のソテー、牛肉や豚肉の串焼き、肉団子、グーラッシュ (ドイツ風ブラウンシチュー)、アイントプフ(肉と野菜のブイヨン煮)やズッペ(スー プ)などがあります。アイントプフ、ズッペは日本のお味噌汁のように各家庭で具材や味付 けが異なり、ドイツのお袋の味です。 




上)ドイツ風ブラウンシチューであるグーラッシュ。 
下)アイントプフは野菜とお肉のごった煮、という感じでしょうか。各家庭で種類も味付け も様々です。 
スープの中でもヒューナーズッペ(チキンスープ)は風邪ひきの際に母親が作ってくれる伝統のスープ。ショートパスタや米を入れることもあります。 


アイントプフの中で、私は特にモーレンアイントプフ(人参とジャガイモの牛肉煮)が大好 きなのですが、初めて食べた時は衝撃でした。味は何と肉じゃがにそっくり!これだけでも 十分驚きなのですが、驚愕だったのはリンゴジャムをかけて食べること!肉じゃがにリンゴ ジャムーーーー!??私は未だにこのコンビネーションは受け入れられていません(笑) 




これがモーレンアイントプフ。煮込んだ後は少しマッシュします。味は肉じゃがそっくり! 夫曰く、リンゴジャムは必須だそうです・・・苦笑。 


さて、日本でも様々な郷土料理があるように、ドイツにも勿論郷土料理があります。私は現 在北ドイツに住んでいるので、北ドイツの郷土料理を少し紹介してみたいと思います。 
 
・グリューンコール(ケールの煮込み) カッセラーと言われる豚肉の燻製と燻製ソーセージ等とケールと一緒に煮込んだもの。冬限 定の料理です。ビタミンたっぷりで手軽に出来るので自宅でもよく作ります。 

グリューンコールは北ドイツの冬の名物料理です。私も大好きです! 


・ウナギの燻製 北ドイツでは魚は昔から保存食として燻製にして食べられきました。ウナギの燻製は黒パン と一緒に食します。魚自体の油がやや多いので、消化を助けるためにも黒パンは必須です。 


ウナギの燻製。黒パンとビールと一緒に食すのが現地風。 


・クラベン 北海で水揚げされる数センチ程の小海老。さっと茹でて黒パンや卵と一緒に食べたり、ク リームスープにして食べます。私のお気に入りは、ディルドレッシングで軽くマリネして ロールパンに挟むサンドイッチ。新鮮なクラベンが手に入った時は必ず作ります。 


クラベンは鮮度が命。さっと茹でて黒パンに乗せて卵と一緒に食べたり、クリームスープに したりします。 


フランクフルトやノイシュバンシュタイン城などメジャーな観光地がある中部・南部ドイツ は海から遠く山が近い為、お肉の比率が高く味付けもやや濃い目です。しかし海に面する北 ドイツは魚を食す比率がグンとアップし、さっぱりとした味付けが多いので日本人の口にも よく合います。 

次回ドイツにお越しの際は是非北ドイツにも足を伸ばし、郷土料理も召し上がってみて下さ いね。