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第35回 From Germany vol.12021/03/21

みなさま、はじめまして。
ドイツ在住のルチナです。

フランクフルトのスカイライン

 
18年前、新卒で欧州系航空会社へ就職しヨーロッパへ移住しました。そして転職を機にドイツへ引っ越したのがちょうど10年前。気がつけば人生の半分近くをヨーロッパで過ごしてきました。今も現役で空を飛び続けています。旅行に行くことが難しくなった今、世界中にいるみなさんにドイツやフライトの現状をお届けし、少しでも海外を近くに感じていただけたら嬉しいです。


新型コロナウィルスによる移動の制限が始まってから早くも1年が経とうとしています。去年の3月、私はキャンパーバンでニュージーランド北島を旅していました。オークランドを後にした翌々日にニュージーランドでは外国人の入国が禁止になり、ドイツでは状況が一変しロックダウンが始まっていました。飛行機に乗ること、旅に出ることが日常であった日々が遥か遠い昔に感じられるくらい私の生活スタイルも様変わりしました。

2020年3月、ニュージーランド北島のトンガリーロノーザンサーキットを3泊かけてトレッキングしたときのもの。この頃はまだ世界がこんな状況になるなんて想像もしていませんでした。


ドイツでは現在も11月から始まった2度目のロックダウンが続いています。スーパーやドラッグストア等の生活必需品を取り扱うお店か散歩に出るくらいしか外に行くことのなかったここ数か月。3月に入りようやく段階的に規制が緩和され始め、美容院が再開され、百貨店や小売店などが人数制限を設けて営業を始めました。飲食店は引き続きテイクアウトのみの営業。カフェで友人達とゆっくりお茶ができるようになる日をまだかまだかと心待ちにしながらお家時間を充実させようといろんなことに挑戦している今日この頃です。

夏には初めてベランダ菜園に挑戦しました。FLTで家を空けることがなく毎日水やりができるからこそできたことです。

ロックダウン中、日課になったウォーキング。季節の移り変わりを感じられる癒しの時間。


そんな中、先日3か月ぶりにフライトにいってまいりました。
普段は出社をするとまずブリーフィングルームにその日一緒に仕事をするクルーが集まり、ひとりひとり握手をしながら自己紹介をすることでチームビルディングが始まります。そして、フライトを終えて解散するときもまた握手でお互いをねぎらいお別れの挨拶をします。日本人には馴染みのない握手の習慣ですが、毎フライト初めましてのメンバーとチームになって仕事するにあたり信頼関係を構築するためのとても意味のある行為だったのですが、接触を控えるということでこれも去年の3月からNGになったのです。握手ができないことにぎこちなさを感じていたのは私だけではなかったようで、いつの間にか誰からともなく新しい挨拶のスタイルが生まれています。今回のフライトでは握手の代わりに皆がお互いの肘と肘をぶつけあって自己紹介をし、同じようにして仕事を終えました。機上の限られた空間と物の中で提供できるその時のベストをいつも考えているクルー特有のマインドなのか、一緒に働く同僚たちは、できる範囲の中で最大限できることを見つけるのが上手だなと感じる瞬間でした。

ガラガラの機内

 
現在は接触を最低限にするために機内サービスが簡略化されたりマスクの着用が義務付けられたりと多くの制限があるフライト。一便に搭乗されるお客様の人数もごくわずかです。
1日も早く空に活気が戻り、人々が安全に自由に世界を行き来できる日がくることを祈りながら、今は時差のない規則正しい生活ができる毎日に感謝をしながら過ごしています。



来週はいよいよイースター。
欧米ではクリスマスに次ぐ家族が集まるビッグな休暇です。
住んでいる場所によっては外出制限などで例年のようなお祝いはできないかもしれませんが、どうかみなさま健やかにお過ごしください。
Frohe Ostern♪ 素敵なイースター休暇を♪ 
ドイツより愛をこめて。