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第37回 From Germany vol.22021/04/22

グーテンターグ!
皆様こんにちは、ドイツからルチナがお届けします。


 
日本は桜の季節が過ぎ新緑が華やかな頃でしょうか?
ドイツでは復活祭の明けた4月の2週目に雪の舞う日がありましたが、草木が芽吹き、茶色だった地面が緑に、裸だった木々が彩鮮やかに変わり始めています。長かった冬がようやく明けヨーロッパにも春の兆しが訪れています。毎年この季節になるとドイツ人が心待ちにしている食べものがあります。

今日は私の住むフランクフルトの街に春の訪れを告げてくれるそんな旬の味覚を紹介したいと思います。


4月に入るとスーパーやマーケットにはシュパーゲル(白アスパラガス)が並び始めます。巷にいちご、ルバーブ、シュパーゲルが出回り始めると春がきたなと感じます。


新鮮な白アスパラガスが市場に出回るのは6月24日までの期間限定で、この時期をシュパーゲルツァイト(直訳:白アスパラの時間)と呼び、街のあちこちにシュパーゲルのスタンドが建ちます。





キッチン用品店でシュパーゲルを茹でる専用のお鍋を見かけるのもこの時期。シュパーゲルをこよなく愛しているドイツ人のお宅ではこのお鍋を保有している人が多いのも納得です。茹でた白アスパラガスにジャガイモとハムを添え、オランデーズソース(バター、レモン汁、卵黄で作ったもの)でいただくのが定番の食べ方です。シュパーゲルのクリームスープやリゾット、グリルしたものも人気です。定番の食べ方に飽きた時には、お浸しにしたり、茹でたものをわさび醤油で食したり、天ぷらにしてみたり、日本人ならではの調理法でシュパーゲルを楽しんでいます。


 
シュパーゲルと時季を同じくして、旬を迎えるのがゲーテも愛したと言われているグリューネゾーセ(直訳すると緑色のソース)。こちらは、春のハーブで作られるフランクフルトの郷土料理で、伝統的には復活祭前の木曜日(緑の木曜日と呼ばれる日)に食す習慣があるようです。ボリジ、チャービル、ガーデンクレス、パセリ、サラダバーネット、ソレル、チャイブ、七種類のハーブで作るソースはドイツ版春の七草!爽やかな味わいがこの季節にぴったりの冷たいソースです。ゆで卵と茹でたジャガイモにこのソースをかけただけのとてもシンプルな一皿ですが、フランクフルターの間ではとても人気な定番メニューです。




七種類のハーブがすでにセットされたものがフランクフルト市内のスーパーやマーケットで販売されています。作り方もとてもシンプルで刻んだハーブをシュマンドという酸っぱいクリームで和え、塩、コショウ、ホワイトビネガーで味を調えるだけ。お好みでヨーグルトやマヨネーズ、マスタードやレモン汁などを加えることもあり、各家庭によってレシピは少しずつ違うようです。もちろんすでに加工されたソースが瓶詰されたものも購入できます。







例年だと5月に、フランクフルト近郊のドイツレストランがそれぞれ自慢のソースを競い合うグリューネゾーセ祭りが街の中心で開催されるのですが、新型コロナウィルスの影響で今年の開催は10月に予定されています。
グリューネゾーセを使った様々なドイツ料理を楽しむなら、市内を流れるマイン川の南側に広がるザクセンハウゼン地区に足を運んでみるのがおすすめです。この辺りには、同じくフランクフルト名物のアップルワインで有名なリンゴ酒酒場がたくさん集まっています!

ドイツ料理と聞いてソーセージやポテト、ビールしか思い浮かばなかったあなた!
次回春にドイツを訪れる機会があれば、是非フランクフルトの春の風物詩を試してみてはいかがでしょうか?お隣のイタリアやフランスの料理ほど華やかではないけれどドイツ料理もなかなかかもと思っていただけるのではないでしょうか。