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第62回 From London vol.22024/07/20

こんにちは! Mikaです。
イギリスの外資系航空会社に入社し、結婚出産を経て、現在は客室責任者としてパートタイムで乗務を続けています。

今回は「海外での子育て」について、ご紹介します。

客室責任者としての仕事が波に乗っている頃、長女を授かり、乗務員規定に則り即座に地上勤務になりました。

生後数時間後に退院前の検査


皆様お分かりの通り、不規則があるお陰で規則を作っているクルーとしては、久しぶりに時差や温度差のない環境に長くいることに体が馴染めず、社会人初の職場移動と、毎日同じ枕で眠る生活の上にツワリや慣れない業務に四苦八苦しましたが、子供が生まれる頃にはなんとか慣れてやれやれと思ったのも束の間。地上業務から出産まで3週間の産休をあえてとったにも関わらず、予定より3週近く早くに出てきた長女の世話で、クルーレストの仮眠だけでエンドレスにフライトをしている様な生活に突入し、ここからクルー時代に培った早食い早寝早◯が遂に実生活で役立つことになるわけです。
赤ちゃんがホギャーといえば、コールベルのごとくささっと歩み寄ってリクエストにお答えするべくニーズを読み取り、食べながら飲みながら授乳しながら携帯でメッセージを打ちながら!

イギリスNHSバーネットの婦人科


ところが、効率よく働くのが当たり前の環境しか知らない私は、赤ちゃんと暮らすことでそれまでの常識が覆されることになります。
特に長女は、抱っこされている時は寝てくれるのに、横に寝かせた瞬間にギャン泣きに。
家事の大半、娘を左腰に乗っけて、左腕で支えながら、右手で作業をするも、片手では時間ばかりかかってイライラ!仕事場の様な時間の縛りはないはずなのに、授乳やおむつ替えに入浴と、容赦なくやってくるお世話のディマンドに、終わりのないスーパーウルトラロングホールフライトに乗務している様な錯覚を覚えたくらいです。

出産後母子で過ごす相部屋(この部屋は8人部屋)
私は夜9時に出産後、翌朝8時には退院準備。


今思えば、産後うつにもなりかけていたのかもしれません。
妊娠が発覚するまでは、1週間に1、2回のホテル生活で、悠々自適な時間を過ごしていたのが一転、そんな優雅な生活が遠い昔の様に思えて、颯爽と高く飛ぶ飛行機を見上げては、自分は母親には向いていないのではないかと思い詰める始末。
新生児との生活はずっと続くわけでないと頭ではわかっているつもりでも、渦中にてそこまで達観することが出来るかというと、難しいことだと思います。
出産後の帰省も、福島原発の影響で順延となり、バスの様に利用していた飛行機も、赤ちゃんが1人増えるだけで全く別の乗り物に変化して、半日中にdoor to doorでロンドンから東京に移動できていた時代が夢のような生活に突入したのでした。

出産後の食事。白身魚とダーフィノアポテトと、ズッキーニとスプリンググリーン。カップのオレンジジュース、青リンゴ。
お産直後は、イギリスならではの、マグカップに紅茶とビスケットで一息。
直ぐにシャワーに入るように指示されたが、フラフラで断念。


次回へ続く