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第69回 From London vol.92025/4/13

こんにちは! Mikaです。

前回ヴァージンアトランティックについてお話ししたのをベースに、VSクルー(特に日本人クルー)の良くある経験談をまとめてみました。

他社で勤めたことがない筆者ですが、皆様の経験はいかがですか?


ロンドン⇔成田間

ブリーフィング編


・カタコトの日本語で妙に盛り上がるメインラインクルー達
・リクエスト激戦の成田便を勝ち取ったクルー達で優越感たっぷりのブリーフィングルーム
・サービスブリーフィングは毎回お箸とお椀の位置を確認(なぜか何度言っても覚えられない)
・成田線要因の日本人クルーがチームの半数以上だと、突然ビビりだすメインラインクルー(到着後一緒に過ごすクルーがいないかもと、キョロキョロ)
・キャプテンブリーフィングで、天候情報を聞く際、季節の変わり目は、フライトタイムが異常に短かったり長かったりで、一喜一憂。でも冬の北方ルートでオーロラが見えるかもしれないと言う一言で一気にハッピーになる無邪気なクルー






ボーディング編

・グランドシューズから機内用の靴に交換する時に、シューキーパーで大事に袋に入れるクルーと、バラバラの靴がキャビンバックからボロンと出てくる&その靴の中から、シューキーパーではなく、スナック用のりんごやバナナが出てくるクルー(筆者は新人の頃カルチャーショックを受けて一件)

・プレボーディング中、搭乗口に自分1人だけの時に限ってスペシャルアシスタントのお客様が大勢一気にいらっしゃる焦り

・ボーディングドリンク規定の3種類の飲み物チョイスを満遍なく配ろうとすると、一種類だけすぐ売り切れて、トレーにまだ沢山ある飲み物グラスをバランスしながらギャレーに戻ろうというタイミングでコートを渡される。

・ドアクローズの短い時間しかないタイミングで機長が長い挨拶アナウンスを入れてくる(日本語訳も同様に長くなる)
そのアナウンスを訳している間に、もれなく安全業務PAで遮られる。そして遮られたことを謝罪してから日本語アナウンス再開、かなりな巻き気味スピードで最後の方がかなり早口なアナウンス

・ジャンプシートに座って目の前にイケメンが2人いた時、ガッツポーズ!と思いきや、イチャイチャが始まった時の半端ない落胆と、それを見せまいと必死に保つスマイル


上空編

・シートベルトサイン消灯し、ドリンクカートをセットしていざファーストドリンクサービス、と言うタイミングでタービュランス&全て元に戻す時の敗北感

・ミールチョイスが無くなり始めて、人気のない方のミールの形容が異常に絢爛豪華。(人気チョイスは、めちゃくちゃ簡素な紹介)
ホットドリンクサービスの時、日本茶をお出しした瞬間飲み干して、「イギリスの紅茶も飲んでみたかったのよ?」とおっしゃる、ベテラントラベラーに目が点になるクルー

・クルーレストに向かう途中に何かしらオーダーを頼まれて、一回では絶対にクルーレストに辿り着けない運命

・クルーレストで目を閉じた瞬間思い出すドリンクオーダー
クルーレストに行く前に行ったはずのトイレに、また直ぐに行きたくなる意味の分からない人体の仕組み(お茶を飲まなければよかったと後悔)

・アイドルタイム、キャビン座席前のマガジン入れに貯まるゴミとのイタチごっこ

・床でしれっと寝ようとするお客様に毎回説明する酸素マスクのチューブの事情と、本当に床まで届かないのか確認してみたい欲求

・コットに寝ている赤ちゃんをシートベルト着用サインで起こさなくてはならない時の罪悪感と、起こしたくない気持ちの葛藤

・キャビンがスリープモードの時に、窓のブラインドを開け放つお客様を思わず睨みたくなる衝動

・お休みでないお客様と会話が弾みすぎて、次のサービスの準備やトイレチェックが疎かになって、突然すごい勢いで追いつこうと試みる愚かなクルー(筆者の場合)

・クルーミールを取りにオーブンやクルーカートを開けると、食べたいものが売り切れている時の落胆。からの、食べたくないチョイスでも(午前3時、オフデューティーなら就寝中時間)なのにガッツリ食べ物を頬張っている自分に感心&呆れる。

・クルーレストから戻った顔に寝癖がついている同僚に、その事を教えてあげるかどうか迷う瞬間

・フライト終盤に入り、数時間前にフルミールサービス、アイスクリームにドリンクサービス、ミッドフライトスナックサービスでさらにドリンクサービスしたのに、何事もなかったかのようにぺろっと朝ごはん、もしくはアフタヌーンティーをたいらげるお客様の胃袋に感服

・何度見ても飽きない上空からの惚れ惚れとする空と地上の眺め


ランディング編

・離陸3分着陸8分のクリティカルイレブンミニッツになぜかよく話しかけられて葛藤するクルー

・コックピットで特別テイクオフもしくはランディングを許可された時の幸福感が半端ない&普段は普通の人感満載の操縦士が、素晴らしいスキルと集中力で管制官とやり取りや、天候不順を物ともせず、あの巨大なシップを安全に操縦しているのを目の当たりにした時の大尊敬の念と高揚感

・降機時にお客様がくださる、「ありがとう」が何より嬉しい&チームで安全運行が成し遂げられた時の達成感でフェアウェル中感極まる
・かと思ったら、最後のお客様が降りた瞬間に自分も降りる準備万端のメインラインクルーの身支度のスピードに圧倒
・降機後ヒースローターミナルを歩くスピードが通常の2倍と言っても過言でないメインラインクルー
・クルーの中には、スコットランドやアイルランドからのコミュートがもちろん、中にはマイアミやドバイから通勤組に脱帽
・乗務員用の駐車場で自分がどこに停めたかたったの2日しか経ってないのに覚えていない自分の記憶力にショック
・帰宅したら、すぐにアンパック&リパックして次に備える習性



というわけで、ブリーフィングからキャビン、ランディングまでのあるあるを思いつくがままに書き出してみました。

会社は勿論、乗務路線によってもそれぞれ色々な習慣やあるあるが存在しそうですね。
他社クルーの方ともお話しすると楽しいトピック。
皆さんはご自身だけのあるある、お持ちですか?




次回へ続く