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第73回 From London vol.132025/9/7

こんにちは! Mikaです。

今回は題して、『Crisp Sandwich?!』
クルーミールにいついて書いてみました!

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クルーカートにクルーミール ──皆さんの会社ではどのような内容が搭載されていましたでしょうか?便によって多少内容は異なりますが、一般的には、搭乗前の軽食、機内でのメイン、降機前のスナックがスタンダードでしょうか。目的地の到着時間によっては、朝食用のブレックファストマフィンやシリアルのような軽食、あるいは夜食としてフィンガーフードが搭載されていることもあるかと思います。




かつては、ファーストクラスやビジネスクラスと同内容のクルーミールが搭載されており、アミューズブッシュから前菜、メインディッシュ、チーズの盛り合わせ、そしてデザートの温冷チョイスまであるという、今では幻のスタイルが存在していました。この四半世紀でクルーミールのスタイルも大きく変化し、現在では別の形態のミールが搭載されることが多くなっています。


筆者の勤務するヴァージン・アトランティック航空では、労働組合が会社と交渉し、クルー一人ひとりに必ず含まれていなければならないアイテムが決められています。それは……Crisps and Chocolate(ポテトチップスとチョコレート)です。


「なぜ?」という声が聞こえてきそうですが、イギリス人クルーにとってはとても大切なアイテムで、さまざまな味のこれらスナックは必須とされています。ちなみに、Crispsとはポテトチップスのことで、小袋の個包装パックが一人につき一つ。チョコレートは、スニッカーズやキットカットのようなバータイプのものが一つ支給されます。



もちろん、その他にサンドウィッチ、野菜ディップやサラダ、メインディッシュ、フルーツなどもクルーカートに搭載されていますが、入社当時の私には、このポテトチップスとチョコレートに異様なまでに執着するイギリス人クルーの姿が理解できず、Tech Cart(コックピット用カート)へのそれらの積み忘れや、数が合っていないときにケータリングスタッフと交わす真剣なやりとりに大変驚かされたものでした。

たかがスナック、されどスナック。




ちなみに、これらのスナックは機内で食べず、ステイ用に持って行くクルーも多く、私自身も時差で小腹が空いたときなど、何度もお世話になっています。
さて、世界中色々な味のポテトチップスがあって、きっと皆さんの中にもご当地ポテチを旅の楽しみにされている方もいらっしゃるのでは?

今回はイギリスポテトチップスのフレーバーをご紹介します。皆さんに馴染みのある味はありますか?


人気フレーバー 
Sweet Chilli (タイ料理の前菜でお馴染み、シュリンプクラッカーのソース)
Sea Salt & Cider Vinegar (クラシックソルト&ビネガーの上位互換)
Mature Cheddar & Chive (定番チーズ&オニオンのハイクラス版。)
Truffle & Sea Salt (バーやパブでに人気の黒トリュフ風味。)
Black Garlic & Sour Cream (サワークリーム&オニオンのハイクラス版。)
Smoked Paprika (ヨーロッパ大陸ではお馴染み、濃厚なヨーロピアンパプリカ風味。日本のコンソメ味をだいぶ濃くしたかんじ。)


限定フレーバー
Haggis & Cracked Pepper(スコットランド発祥の料理、羊の内臓(心臓、レバー、肺など)を刻んで、玉ねぎ、オートミール、香辛料と一緒に羊の胃袋に詰めて茹でたものに、粗こしょうの味付け。)
Chocolate & Chilli (いつぞや流行った甘しょっぱい系のこちらは、唐辛子が混ざって辛い版。)
Cajun Squirrel(ルイジアナ料理のスパイス味。リスは入っていませんのでご安心を!)
Brussels Sprout(クリスマスの時にしか食卓にのぼらない芽キャベツ。クリスマス限定。)
Christmas Tree(ツリー型のチップス。)
Caramelised Onion & Balsamic Vinegar (チーズオニオンとビネガーの融合)
Chorizo (スペインソーセージ味。赤いパプリカの色が鮮やか。)
さすが主食がジャガイモとも言えるイギリス人にとって、ポテトチップスはなくてはならない、日本で言えばお煎餅のような存在です。



存知ですか?
筆者が初めて目にしたときは衝撃的で、食べている同僚を凝視してしまったほど。それは……Crisp Sandwich(クリスプ・サンドウィッチ)

パンの間にポテトチップスを挟んで食べるという、スナックをスパイスのように使う斬新な発想。お菓子をサンドイッチに挟むなんて……さらに炭水化物 on 炭水化物。

当初は「イギリス人クルーの特権」と遠巻きに眺めるだけでしたが、ある日クルーカートに残っていたのは、味の薄いツナサンド。時間に余裕のあったその日、イギリス人クルーの指南を受け、人生初のクリスプサンドを試してみることに。

その美味しさといったら……目から鱗!ザクザクした食感と、パンが塩気をちょうどよく緩和してくれて、驚くほどの美味しさに感動したのを覚えています。
イギリスに行かれることがあれば、ぜひ「味が薄めのサンドイッチ」と「味の濃いポテトチップス」で作る、クリスプサンドをお試しください!