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第78回 From London vol.182026/04/17

April Showers and the sound of wings resetting

こんにちは。

イギリスのエイプリルシャワーは、日本の梅雨とは少し質感が違います。しとしとと続く雨というより、晴れ間と雨雲が分単位で入れ替わるような雨で、傘をさすかどうか迷う間もなく止んでしまうことも多く、フードを被ったまま歩き続ける日も。イギリス人はよく'Typical British weather, all four seasons in one day!'と表現することもあるくらい、非常にコロコロとよく変わる、気分屋の空模様です。

サマータイムも始まり、ヒースローの夕方は、一気に明るくなり、これからハイシーズン到来の前半戦。ターミナルの空気も少しずつ夏に向けてギアーを上げていきます。

B787 LHR - BLR


ヨーロッパの春といえばイースター(キリスト復活祭)ホリデー。学校も日本の春休みより大幅に長く、一ヶ月近い休暇になります。ミュージアムやシアターには、各ヨーロッパからの観光バス、学生や家族旅行客が一気に流れ込み、ロンドン全体が一段と賑わう季節です。今年は、前半こそ例年より肌寒く雨も多かったものの、後半に入ってからは、晴天が続き、陽気も一気に春らしくなり、人出がさらに増えた今週のロンドン。劇場もですが、フライトも満席が続き、いわゆる'満員御礼'の状態が続いています。

北ロンドンの桜


路線も動いています。仁川線が新たにスタートし、モルディブ路線は前シーズンから引き続き人気を保ったままです。ケープタウンや、トロントも復活。今秋には、プーケット就航も予定されています。都市と季節が変わるたびにクルーの時間感覚もまた少しずつ書き換えられていくのを感じます。

一方で、世界情勢の影響は運航にも影を落としています。燃料サーチャージはもちろんですが、ドバイやリヤド線は、戦争の影響で運休が続き、インド方面は、サウジ経由やアゼルバイジャン経由ルートで空路が細くなったことで、高度の選択も難しく、特にインド発ロンドン便の帰りは乱気流の影響を強く受けることが増えました。揺れを読みながらのコーディネーションには、経験を踏まえた上での繊細かつ俊敏な判断が要求されます。

日本は新年度と新学期スタート。こちらは、まだ冬の名残を引きずったまま、学期末へ向かう時間です。同じ春でも、全く違う感覚で時間が流れています。

先日、春休みを利用して渡英したいとこの息子とロンドンでの再会が叶いました。プレミアリーグ観戦が目的でマンチェスターから入り、サッカー三昧後にロンドンへ。1日では足りないということで3泊に延長、ロンドンのエキスを吸うが如くの観光予定を聞いて、さすがフットワークの軽い大学生に脱帽でした。いとことには15年会っていないのに、その息子とロンドンで会うことが出来て嬉しかったです。せっかくの男子大学生3人旅にお邪魔するのは、少し気が引けましたが、そうそうない機会なので、是非ランチを、ということで、待ち合わせはロンドンブリッジ駅近くのバラマーケットで。生牡蠣や、トリュフショップ、チーズにオリーブ、ナッツやベーカリー、肉、魚に色とりどりの野菜や果物も色鮮やかです。ロンドンの胃袋とも言えるこの場所で買い食いだけするだけでも楽しいですが、旅のプランで忙しい彼らを長くお引留めしないよう、早々にステーキハウスへランチに。当初はランチだけの予定でしたが、話がはずみ、気がつけば1日アテンドになっていました。

バラマーケットにて


ランチの後は、ブリティッシュミュージアムでエジプト展示のロゼッタストーンやラムネス二世の彫刻を通り抜け、ミイラの階で猫のミイラや、カノプス壺(古代エジプトでミイラを作る際に取り出された、肝臓、肺、胃、腸の4つの内臓を保存・保護するために使われた、4つ1組の特別な副葬容器)を見学し、トッテンナムコートロードからコベントガーデン、ウエストエンドを抜けてグリニッジへ。天文台には時間合わず入れなかったものの、歩道に続く子午線をまたぎ、夕暮れのシティを眺めました。横浜出身の彼らからすると、ロンドンは驚くほど緑が豊かだと感心していました。日が沈み、キングスクロスの駅で9と3/4番線とハリーポッターショップを見て、最後はバーガーショップで立ち食い。彼らの宿泊地近くまで出ているバスに三人が乗るのを見送って帰途につきました。これから日本の未来を背負っていく彼らと、束の間の時間を過ごせて、なんだか活力をもらった気がします。

ブリティッシュミュージアムのエントランスエリア


古代エジプトで神聖な存在の猫のミイラと、神聖な偶像: 猫の頭を持つ女神バステト


ロンドンという街は、ヒースロー空港のように誰かの'通過点'でありながら、確かに記憶を刻んでいく場所なのかもしれません。
庭先には、狐の親子が顔を出し、地下鉄のプラットフォームや線路には、小さな街ネズミが見え隠れしています。
ロンドンは、いつの季節になっても生命力に満ちていて、世界中から人が流れつき、また離れていく場所です。その流れの中に自分も身を置きながら、今日も空と地上の間を行き来しています。

賑わうコベントガーデン


次回へ続く